【堀田信弘の今日の語録】 『この会社は、きっと伸びるだろうな。他の会社と違うことができること自体に可能性を秘めているから。』


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凡人経営者のシンプル化戦略

『事業ドメインのフォーカス化を意識した取り組みを行い、誰に、何を、何のために、いつ、どこで、どのように行うかを徹底的に研究し、ターゲットを明確にした個性ある商品、サービスが提供できる特色ある事業を行う』

これは、ドリームクラスター・グループの事業方針に書いてある一節である。

この事業方針の基本となる考え方は、ドリームクラスターの経営ビジョン「ドリクラの小さな夢」の中で次にように唱っている。

『あらゆるサービスの多様化に対応できるように、多彩の事業を展開し、常に時代の流れに追従した迅速な事業展開、新規事業への挑戦を行うための指針です。この夢は、サービスの多様化と相反するサービスの専門化を図るためにあり、たとえ100の夢が変わってもこの夢の思想は不変です。 』

文中にある"サービスの多様化と相反するサービスの専門化を図る"とは、ドリームクラスター・グループがグループ全体で発展を目指そうとするブティック戦略を示す考え方だ。

多様化するサービスに対し、それと相反するサービスの専門化を図ると言うのは、サービスの多様化対し、一社が複数事業をするのではなく、ブテッィク制をとって、それぞれの企業が分担して担うことで、多様化と専門化を同時に実現しようという狙いだ。

私がドリームクラスターを設立する時から、 クラスター型の企業群というグループ化を目指す考えを持ったのは、このブティック戦略と出会ったからだ。

一般的には、様々なニーズに応えられようと会社を大きくしてユニットを構成することが通例である。しかし、"経営とは組織作りである" という私の経営の基本思想では、ピラミット階層的な組織は、極めて有能なスーパー経営者でない限り容易ではない。

容易ではないというのは、不可能であるということではなく、可能であるが、私のような凡才では困難であるという意味である。

一人の指揮官が、次第に複雑化するユニットに対し、指示、命令を行い、全体を調和させながら戦闘に向かう戦国武将型の強固な組織を実現するのは、ゼネラリスト型のスーパー経営者の存在が必須なのだ。

そして、そのスーパー経営者は、強いリーダーシップと、強烈な個性を併せ持ったワンマン経営者でありながら、人を惹きつける人間性がある武将である。

私がブティック戦略と出会い、それを経営に反映しようと考えたのは、かつて管理職の役割、体制と言った人事構築を担った経験からである。

このブログの中でも、リーダーとマネージャーという主旨で管理職に存在する二つのタイプについて何度か書いている。さらに、ゼネラリストとスペシャリストという主旨でも、管理職には二つの役割が必要だと書いてきた。

リーダーとマネージャーという二つのタイプと、ゼネラリストとスペシャリストという二つの役割を、乗じて、経営者として再分類すると、「複雑系に対応できる極めて稀な存在」と、「単純系に深く関われる稀な存在」ということなる。

私がかつて実際に行った分析では、30人の管理職を分類すると、複雑系に属した人が3割、単純系に属した人が7割ということになった。

しかし、更に分析を深めると、その割合はもっと変化する。例えば、複雑系に属するとされた3割の大部分は、実は単純系に深く関われないという消去法的に複雑系に分類された人なのである。

また、同様に単純系に属するとされた7割の大部分は、実は複雑系には対応できないという消去法的に単純系に分類された人なのである。

つまり、私が定義した経営者として再分類した場合、どちらに分類されても"極めて稀な存在"である人は、30人程度の経営者の中にはほとんど存在しないということである。

だから、仮に、経営者タイプは複雑系の人のほうが向いていると仮定しても、実際には管理職の時に、複雑系に属した人も真の「複雑系に対応できる極めて稀な存在」である人は皆無と言って良いだろう。

つまりは、大部分の経営者は、戦国武将型の強固な組織を実現できるゼネラリスト型のスーパー経営者ではないということである。

だから、私も含めて私のような凡才では複雑系を指揮し実現することは極めて困難なことなのである。

一方、単純系でも、「単純系に深く関われる稀な存在」は少ない。しかし、少ないながらも単純系に分類される人は7割にもなり、かつ、「複雑系に対応できる極めて稀な存在」でない人を消去法的に単純系に移したとしたら、大部分の人が単純系に分類されることになる。それならば、大部分の人が分類される単純系の中には、稀な存在かどうかの程度はあるにしても、複雑系を指揮することに比べれば、可能性は高いはずである。

その答えが、ブティック型の経営である。言い換えれば、経営の単純化であり、単純化できればできるほど、実現が難しい複雑系に勝負を挑めるというものである。ブテック経営のポイントは、この分野では複雑系に勝てるという手法である。色々な武器を持っている敵でも、一つの武器のみで勝負しようと言うなれば大いに勝目がある。

私は、このブティック型の企業を複数配することで、企業群として多様化に対応しようとしているのである。

企業の経営は、放っておけば、次第に複雑になる。黙っていればどんどん複雑になり、組織も分割を余儀なくされる。普通の経営では、そのような複雑化する状況に対応するのは容易ではない。非凡な能力を持ったゼネラリスト型のスーパー経営者でない限り、唯でも複雑化する経営環境において、複数の事業を営もうとする多角経営は辞めた方が良い。下手な鉄砲は、こと経営においては数撃っても当りやしない。

だから、私のような凡人でも小さいながらも真ともな舵を取るには、経営のシンプル化を図る必要があるのである。そして、経営のシンプル化は、当然、事業のシンプル化を第一に図ることから始まるのだ。

もちろん、事業のシンプル化だけではない。単一事業においても放っておけば、次第に複雑になる経営を、常に意識してシンプル化を目指す必要がある。すなわち、経営の基本姿勢にシンプル化を念頭におくことが重要なのである。

しかしながら、そう評論する私でも中々複雑化との戦いに打ち勝つのは難しい。できているのかと問われれば道半ば所か、全く進まないと嘆くばかりである。しかし、トップも含め複雑系ができない集団なのだから、残された道は、どんなことがあってもシンプル化が不可欠なのだと自分に言い聞かせる。そうすれば、見える化もでき、極めて効率の良い、風通しの良い組織となるはずだからと頷く。

これから、再度、シンプル化を意識して経営改革を目指す。

経営のシンプル化、これは、経済だけでなく、国内外情勢が混沌として益々複雑化する中で、凡人が勝ち残るための最高で唯一の戦略であると確信する。

最後まで読んで頂き、感謝申し上げます。

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投稿者 :堀田信弘: 2008年9月28日 06:32