【堀田信弘の今日の語録】 『この会社は、きっと伸びるだろうな。他の会社と違うことができること自体に可能性を秘めているから。』


経営者について  「活・喝・勝」


潮の流れを知り潮目を変える

関門海峡は、本州と九州を隔てる海峡で、最も狭いところで幅が600メートルまで狭まる。海峡のために潮の流れが早く、変化も激しいため、水先人免許という国家資格をもった水先案内人の同乗が義務付けられているそうだ。

それでも、2週間ほど前、貨物船とタンカーが衝突する海難事故があった。関門海峡では、このような事故が頻繁に発生する。それほど、潮の流れ、変化を読み取るのが難しいのであろう。

1185年、ここ関門海峡で壇ノ浦の戦いが起きた。

源氏が大軍を率いて来襲し、平家はこれを壇ノ浦で迎え撃つ。午前中、潮の流れを利用した平家は、流れに乗って矢を放ち源氏は苦戦する。これに対して、不利を悟った義経は平家船の漕ぎ手を射るよう命じる。当時、海戦で非戦闘員の漕ぎ手を射ることは禁手とされ、義経のその作戦は奇策であった。

午後になると、海峡の潮の流れが変わった。

義経の掟破りの攻撃により、平家側は動揺し相次いで離反した。義経は、変わった流れを利用して、一気に平家を追い詰め、遂に滅亡させてしまう。

この出来事から、攻勢、守勢が逆転することを「潮目が変わる」という言葉が生まれた。

壇ノ浦の戦いでは、本当に潮の流れが変わった。そして、戦いの流れも変わった。有利であったものが不利になり、不利であったものが有利に回った。追い詰められた義経は、セオリーを無視して一番弱い漕ぎ手を狙った。義経が、当時の紳士協定である禁手を守っていたら、例え関門海峡の流れが変わっても、形勢が逆転できたかどうか判らない。

ひとつの判断と、自然の出来事が功を奏した訳だ。

今、潮の流れが変わろうとしている。

世界恐慌に匹敵するこれまでに類を見ない全世界レベルでの潮目の変化が起きている。今度の不景気は、ただ時が経つのを待てば、元の流れが戻ってくるというようなものではない。

この激しい流れの変化の後にできる姿は、これまでとはまるで一変してしまうかも知れない。

このまま放置しておけば、一気に壊滅に追いやられるだろう。さて、どこまで形勢が不利と悟れるか。まだまだ大丈夫だと考えるか。そして、不利だと考えたら、さぁどのような手を打つか。邪道をさけるのか。それとも死に物狂いの奇策を打つか。どちらが当たるか分からない。

選択は三つだ。

まだまだこのままのやり方で耐える。少しづつでも変化に対応できるように体力の消耗を最小限にする。

それとも、これまでのやり方では平家のように滅びてしまう。そこで打つ手は、セオリーか、奇策か。

勝ち残った者の判断は正しいとされ、滅びた者は言い訳無用で発言をする機会さえない。

今は、壇ノ浦の戦いが始まった午前中である。義経であるあなたは不況という平家に追い詰められ、ギリギリの状態である。午後になれば必ず流れが変わる。しかし、午後まで耐えることができるか。この不利な状態から、いかに形勢を逆転させられるか。

どう判断し、決断するか。

何日も何日も大雨が続くことがある。でも、いつか必ず晴れる日がやってくる。問題は、晴れる日がやってくるのを待つのみでは、その前に大雨に飲み込まれ、晴れる日を見ずに終わってしまう。どうこの雨をしのぐか。

天気という自然ばかりは、どうしようもない。関門海峡の潮の流れを変えようとしても無理だ。自然には逆らえない。景気という流れもそうである。

しかし、そのような状況下でもできることはある。

会社という組織の中にも、潮の流れの変化が起きる。ある時から、歯車が狂ったかのように、すべてがマイナスに流れる。さて、どうしたらこの流れを転じられるか。これは、天気のような自然ではないから、その組織のリーダー次第で変化を起こせる。

さて、どこまで形勢が不利と悟れるか。まだまだ大丈夫だと考えるか。そして、不利だと考えたら、さぁどのような手を打つか。邪道をさけるのか。それとも死に物狂いの奇策を打つか。どちらが当たるか分からない。

リーダーが判断すべきことは、この流れを知ることである。流れは変わりつつあるのか、始まったばかりなのか、しばらく続いているのか。

その判断が誤れば、次の判断も誤る。

流れを断ち切り、流れを変える。リーダーが行う高度な判断と、重い決断が重要である。後の結果は誰も判らない。結果だけが物語る。

最後まで読んで頂き、感謝申し上げます。

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投稿者 :堀田信弘: 2008年11月 5日 05:49