どうやったらできるかを考える。これは、私のモットーであり、わがグループ社員の仕事への姿勢である。
「相手がそれはできないと言っています。」このような会話を日常的に耳にする。
もう少し詳しく話を聞いてみると、「これはできますか」という問いに相手が答えたようだ。
私はいつも、「それなら、こちらの方法ではどうですか、となぜ聞かないのか」と詰め寄る。
このような場面を見ると、問題をどうしたら解決できるかという意欲が感じられない。どうやったらできるかを考えていない。
私には、なぜ「できないと言われました」という理由で、それ以上の方法がないと考えてしまうのか理解できない。
一般社員ならまだしも、経営者としては失格である。
私は、経営者の仕事とは問題を解決することではないかと考えている。問題を解決して始めて、経営者が経営者としての仕事をしたことになるのではないか。つまり、問題を解決する能力の高さが、経営能力の高さでもあるのだ。
ほんの一歩でも、今よりもその問題を打開するために、前進させることが、問題解決だ。相手からできないと言われたという理由で一歩も進めないようでは、経営手腕を発揮していない。
そしてまた、経営者にとって、次々に押し寄せる問題を解決することこそが醍醐味ではないか。私は、あたかもパズルでも解くような複雑な問題を解決しようとする瞬間が、最も仕事をしていると感じる。
相手もいて、まともには解決できないことを、カーブやシュートなどの変化球を織り交ぜながら、突破口を見出す。そして、相手に迷惑も、不快もあたえず、何のデメリットもないような形で解決策が考えられた時、私は満足感を感じる。
それは、問題を解決したという喜びだけではなく、同時に相手の悩み、相手の問題を解決したことにつながるからである。
つまり、問題とは、往々にして、他者との関係で生じることが多い。自分だけの単独の問題なら、その解決方法は意外に単純である。ところが、他者との関係において発生する問題は、複雑で、一方的には解決できないのである。
だから、冒頭の「相手がそれはできないと言っています。」というようなことになるのである。
相手がいるから、単純ではない。単純ではないから、そこに壁を感じ、解決方法を見出すのが難しい。しかし、問題は、仮にこちら側に原因があろうとも、相手にとっても厄介な問題だと感じているに違いない。つまり、他者との関係において生じる問題とは、どちらに原因があろうとも、問題が生じているという観点では共有できているのだ。
後は、お互いにとって、あるいは、こちら側に原因があるとするならば、どうしたら相手の満足を得られるかである。
だから、問題解決という仕事は、満足度を得るための仕事なのだ。相手からの満足が得られれば、当方も満足する。そのようなやりとりこそが、仕事なのではなかろうか。
どうやったらできるかを考える。
これを実践するのは、まず粘り強いこと。諦めないこと。そして、丸いものは四角として捉え、上は下として、右は左に考える柔軟さが必要だ。あたかもパズルを解く時のように、あらゆる組み合わせを模索するのである。
楽しいと思わないか。
私は、顧客満足度という意味でも、顧客の問題を共有し、解決に導くことが重要だと思っている。
特に、我々のような無形のサービスを提供する会社においては、この問題解決能力が重要であろう。
だから、普段より日々の出来事においても、どうやったらできるかを考える習慣を身につけることは必須である。
さらに言えば、人間は放っておくと、どうしても楽なほうを考えてしまう。だから、どうしたらできるかよりも、できない理由のほうが先に思い浮かぶ。できない理由を並べて、自分を正当化し、その問題から逃避するか、あるいは、適当に妥協を図ろうとする。これは、誰がというよりも一般的な習性のようである。
だから、どうやったらできるかを考えるというのは、楽な選択をしないように妥協を許さない厳しさでもあるのだ。
だから一般社員はまだしも、先頭に立たなければならない経営者には、求められる考え方なのだ。
どうやったらできるかを考える。必ず、解決策は見つかるはずだ。諦めてはいけない。
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投稿者 :堀田信弘: 2009年1月17日 05:25