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異体同心と一心同体

異体同心なれば万事を成し、同体異心なれば諸事叶うことなし。異体同心とは、一人一人の体が小さくても大きくても異なっても、気持を一つにして取り組みば、どんなことでも成し遂げられるという意味である。

わが社が手本としている欧州連合EUは、まさに異体同心の精神である。歴史や文化、民族、宗教も異なるが、それぞれの個を尊重しつつも、あたかも同じ国のように、人やモノの移動も自由にした。通貨まで同じにすることで、ひとつの経済圏を確立し、それぞれの国は小さいながらも、大国と対抗できるまでになった。

アメリカもまた、オバマ大統領の登場で、人種の垣根を越えて、国民が一体になろうとしている。

異体同心。家族でも同様である。親と子供では、体の大きさはもちろん違うし、年齢も違う。ましてや、学校と仕事、日々の生活は全く異なる。夫婦であっても、元々は他人。生まれたところも異なれば、育った家庭環境、境遇も異なる。

これが家族だ。元々他人であった二人が出会い、暮らしを共にし、やがて血の繋がった子供が誕生する。他人同士の二人から、どちらの血を引く子供が生まれ、共同で育てる。こうして、異体同心になっていく。

会社でも同じだ。

性別も、年齢も、出身地も、学歴も違う。当然、育った環境も異なる。一人一人の考え方は皆違う。一人一人の生き方も、それぞれの家族への思いも違う。痴呆症になった親を介護しなければならない人もいれば、たった一人で子供を育てなければならない人もいる。

結婚を夢見ている人もいれば、家庭問題で悩んでいる人もいる。子供が生まれそうな人もいれば、親が病気で入院している人もいる。

わが社への入社が初めての人もいれば、他の会社から転職した人もいる。

日本人もいれば、ベトナム人も中国人もいる。社長もいれば、平社員もいる。営業もいれば技術者も、事務もいる。

皆違う。でも、それぞれに悩みもある。嬉しいことがあった人もいれば、悲しみのどん底にいる人もいる。苦しく辛い状態の人もいれば、新しい仕事に期待と希望を持っている人もいる。

皆違う。

皆違う、このままでは異体異心である。

同体異心なれば諸事叶うことなし。同じ家に住んで、同じ釜の飯を食って育っても、皆の気持ちがバラバラなら、何一つとも叶うものはない。ならば、異体異心ともなれば、叶うことがないばかりか、失うことにさえなりかねない。

会社は、放っておけば、直ぐでも異体異心になり得る。

異体同心との同意語に、一心同体という言葉がある。

心を一つにして、あたかも一人の人のように固い結びつくことを言う。異体同心と一心同体との意味は、同じだ。しかし、私は、どうも感覚的に同じに捉えることができない。

それは、冒頭のEUとアメリカの違いのような感覚があるからである。

EUの精神は、異体同心であり、一心同体ではない。個を尊重し、小さいながらも団結して大に立ち向かおうという精神を感じる。一方、アメリカは、合衆国で多民族、移民を受け入れるという多様性に富んでいる。しかし、私には、アメリカをEUのような異体同心のような組織体には感じられない。

振り返って、わがグループは、どうか。

異体異心にならないように、各子会社たちは、一心同体の個を作る努力をしている。そして、それをどのように束ね、グループとして異体同心にすることができるか、これが課題だ。

さらに、異体同心と一心同体を考えた時、組織を一つにまとめるという意味では、一心同体のほうが容易であり、複数の組織を一つにしようとする異体同心はとても困難だ。

今、わが社は、 異体同心か一心同体の道を選ぶかの再考すべき時がきた。

最後まで読んで頂き、感謝申し上げます。

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投稿者 :堀田信弘: 2009年1月31日 05:36