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世の中について  「活・喝・勝」


カードの多さがカードを左右する

私は最近、自分自身で大人になったと思うことがある。自分自身で意識して取り組んできたことがほんの少しだけ、自分の目で確かめられるようになった。

大人になったいうことは、子供のようなところがあったということだ。

それは、カードを破り捨てなくなったことである。

少し判りにくい比喩だが、以前の私は、カッとなるとカードを破り捨ててしまうようなところがあった。手持ちのカードが使えないとなると、温存することなく、感情的に破り捨ててしまっていた。

カッと感情的になるところは、まだまだ治っていないようだが、その場で使えないと思うカードでも手中に置くことの意味を理解できるようになったのだ。

先日、一本の電話が鳴った。

私は以前、この男は信用できないと、一旦距離を置いた人だ。最後の場面では、訴訟までしようかと思う出来事さえあった。

それでも、私は、そのカードを手に残していた。

実はこの行動は、私が、以前から意識して取り組んできたことである。それは、ある人から助言されたことがきっかけである。

「堀田さんは、カッとなるとゼロにしてしまうところがある。一旦ゼロにしてしまったら、それに何を掛けてもゼロだ。しかし、マイナスにしておけば、何れマイナスを掛ければプラスになることもある」と言われた。

私は、それまでゼロもマイナスも一緒だと思っていた。プラスにならないものは、不要だと考えていた。一旦マイナス評価したものが、その後プラスになることなどあり得ないと思っていた。だから、私は、カードを破り捨ててしまうように、もう二度と会わないとゼロにしてしまっていた。

ところが、人間の出会いというのは不思議なものである。

乱暴な言い方だが、出会いをカードと位置づけると、そのカードは必然的にやってきたものであることに気づく。先日まで自分の手元になかったカードが、今、手持ちのカードになっているのは、自分が何らかの行動をしたからに他ならない。

もし、何ら行動もしなかったらそのカードは、天から降って来ない。カードは、自分の意志で、自分の行動で手に入れたものなのである。

しかし、そのカードには、ジョーカーなどが入るケースもある。トランプで考えてみれば、自分が引いたのだから、仕方ない。出会いだって同じだ。自分が行動したから出会った。その出会いが嫌な出会いであったにしろ、それは偶然ではなく、必然である。

私は、ことさらこのことを意識して出会いを求め、行動するようにした。できるだけ多くの人と出会い、できるだけ多くの場に出かけたいと考えるようにした。

出会いの9割以上は、悪い出会いだと思えば気は楽だ。もっと言えば、99%かも知れない。そう簡単に、永遠の付き合いができるような出会いなどあり得ないと割り切ったほうが良い。

トランプで言えば、いつもジョーカーが来ると思っていれば、それを活用しようと考えることだろう。それに、実際に引いてみると、ジョーカーが来る可能性は、53枚中1枚しかない。つまり、1.8%の確率である。ということは、残りの98.2%はジョーカー以外のカードということである。

ジョーカー以外のカードは、そのままではどれも役に立たない。全てが自分の手持ちのカードとの組み合わせである。偶々手にしたカードだが、そのカードの良し悪しは、自分のカードによってでしか役に立たないのである。

つまりは、自分の手持ちのカードが多ければ多いほど、新たに手に入れたカードは、役立つ可能性が高いということである。

トランプのカードなら数に限りがあるが、出会いには限りがない。だから、手持ちのカードは、行動すればするほどカードが増える。そう、カードとはトランプではなく、名刺のことになるのだ。

そもそもこのような考えをもたらしてくれたのも、前述の助言をしてくれた人との出会いがあったからである。もし、あの時の出会いがなかったら、このような考えは持たなかったかも知れない。

あるいは、その人は、預言者じみたところがあったから、以前の私だったら、うさん臭いと聞く耳を持たなかっただろう。しかし、その人の話でさえも、聞きいれることにしたのは、誰に言われようが言われたことは気に止めたほうが良いとアドバイスされたらである。私は、それ自体は、間違いでないと思った。

そのような出会いの一つ、一つに意味があることを考えるようにした。その時点では役に立たないことを百も承知でも、カードを失うことよりも、カードを残しておくことに意味があること知った。だから、カードを破り捨てるようなことは止めようと思った。

ただ現実として、その一本の電話が鳴るまで、破り捨てようと思ったカードが役に立つようなことがあろうなってことは期待していなかった。

それくらい無駄なカードが多いのも現実である。だが、あの時破り捨ててしまっていたら、その低い可能性さえ起こり得なかった。

現時点では、そのマイナスのカードが、プラスに転じるかどうかは判らない。しかし、少なくてもゼロにしなくて済んだことには何かの縁である。

私は、これからもできるだけ多くのカードを集めようと思う。カードを集めれば集めるほど、嫌なことも比例して多くなることだろう。しかし、そんなもんだと思う余裕が生まれつつある。

それは、私が少しだけ大人になったせいだろうか。それとも、年を取ったせいだろうか。若さを失いつつあるせいだろうか。

そんなことはどうでも良い。手持ちのカードの多さが、これから手に取るカードとの組み合わせには欠かせないことは間違いないのだから。

最後まで読んで頂き、感謝申し上げます。

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投稿者 :堀田信弘: 2009年4月29日 05:04