【堀田信弘の今日の語録】 2010年7月31日 『衰退の陰は、発展と共に常に忍び寄っている。』


企業経営について  「活・喝・勝」


体を休めても決して頭を休めるな

知り合いの社長が、一ヶ月間の長期休暇から復帰した。わが社でも幹部に対し、普段の慰労を兼ねて、一ヶ月間の長期休暇を導入しようかと思う。

と書いたら、これを読んだ彼らの部下は、どのように感じることだろう。

羨ましいと思われるだろうか。

なるほど素晴らしいことだと思われることだろうか。

私は、"残念ながら"羨ましいと思われることだろうと想像する。

なぜ羨ましいのか。羨ましいということは、長期間休めることが特権のように映るからであろう。

そんな特権を、幹部が持つことが当たり前だと思われたら困る。

冒頭の社長は、一ヶ月間、つまり31日間の長期休暇を取得した。しかし、彼は、1年間、ほとんど休暇を取っていない。簡単に言えば、一年分の休暇として31日間まとめて取ったということである。

部下と同じように、毎週土日休んで、祝日も夏休みも、正月も休んでいて、それに追加して一ヶ月間まとめて休めるなどと考えたとしたら、その時点で、その人は、人の上に立つような人間ではない。勘違いも甚だしい。

土日だけでも1年間に120日ほどある。つまり、あの社長の4倍、4ヵ月間の長期休暇を取っているのと同じだ。

彼は11ヵ月間、ほとんど無休で働き、1ヵ月の休みを取った。それに対し、通常の人は、8ヵ月間働いて、4ヵ月間休んでいる。2日出勤して1日休んでいるのと同じだ。

これで、彼の会社の業績に追いつこうというのが無理な話だ。

私も決して偉そうなことは言えない。だが、私は、最大でも5時間以上、メールを見ない日はない。どんなに休暇であっても、5時間以内にはメールがチェックできる状態にある。最も長くチェックできないのは、海外へ行く途中の飛行機の中だけである。

そのような状態で、毎週末を向かえていると、幹部がどのように週末を過ごしているか手に取るように把握できる。

8割の人間は、休日の夜に、1回だけメールをチェックする程度である。家庭に仕事を持ち込まない、休日と平日は別とでも言っているように見える。

残りの1割は、翌平日を向かえるまで放置状態だ。

このことは、私と一緒に海外出張した時にも顕著に表れる。私が必死でメールを見ようとしているのに、隣で涼しい顔をしている。

私には、その感覚が判らない。あの社長のように休むなとはまだは言わない。だが、もしかすると、重大なトラブルやクレームが発生しているかも知れないと思わないのだろか。

もし、思わないのなら、冒頭で書いたように、わが社でも、幹部は一ヶ月間の長期休暇を導入しようかと思う。その代わり、11ヵ月間は無休だ。私はそれでも良い。

なぜ、そんなことが判らないのであろうか。

この考え方は、経営者における思想のようなものである。この思想は、人によって二つに別けられる。一つは、私のように、人の上に立つ人間は、24時間365日、いつでも出動態勢にあるというような考え方である。

もう一方は、リーダーが率先して休みを取らなければ、下の者が休暇を取りにくいからというような考え方である。

どちらの思想を支持しようが自由だが、私は、かつて『頭を休めるな』の中で、『体を休めても決して頭を休めるな。普通の凡人社長は、24時間頭はもちろん、体も休める暇などない。それが嫌なら、社員のために社長を降りろ。それが、会社のためだ。』と書いた。

休みを取っても、一瞬たりとも仕事のことが頭から離れるというような考え方の人間では、部下に失礼である。その人の思想がどうであれ関係ない。私の部下のリーダーには、相応しくない。

もし、その思想を変えることができないのなら、自分が信じる思想を理解できる部下のリーダーになったら良い。だが、それは、私の会社ではあり得ない。そのような思想を私の部下に持ってもらっては困るからである。それは、やがてその部下が、リーダーになる時、その下の部下に失礼だから。

体を休めても決して頭を休めるな。これは、従業員1万人以内の中小企業の経営者なら当たり前のことだ。もし、10万人ほどの大企業の経営者なら、体すら休めることは許されないであろう。

総理や、大統領が、毎週一切の情報も聞き入れず、平日しか仕事をしなかったらどうなるか。それを考えれば、当たり前であることが判るだろう。

それを高々千人程度の会社の経営者が、毎週リフレッシュなどしている暇などないはずだ。

そして、もし、部下に休暇を取り易くしてあげたいと考えるのなら、率先して休むのではなく、率先して部下の分まで働いて、部下に休暇命令を出せば良い。それができないで、部下が休暇を取りにくいなどというのは、自分が休みたいからの何物でもない。

つまり、部下本位ではなく、自分本位ということ。本当に部下本位というのなら、自分が犠牲になることである。

そのためには、体を休めても決して頭を休めるなということである。部下のためなら、当然なことだ。

最後まで読んで頂き、感謝申し上げます。

感謝。 毎朝6時に社内朝礼ブログをこちらで公開しています。こちらもご覧頂けたら幸いです。

この内容に共感頂けたらこちらをクリックして下さい。ありがとうございます。

※このブログは日本最大級の社長動画サイト賢者.TVのランキングで堂々第一位となりました。

投稿者 :堀田信弘: 2009年6月18日 05:00