母性原理というのを知っているだろうか。先日、子供の教育について、母性原理と父性原理の両立が重要だという講話を聞いた。
母性原理というのは、子供の良いところを中心に伸び伸び育てようという考え方。
実は、この考え方、私が子供の頃は、ほとんど無かった。
その典型が、通知表に表れている。
私が子供の頃の通知表は、悪いことは書いてあっても、良いことはほとんど書かれていない。
それに対し、私の娘の通知表には、良いことは書いてあっても、悪いことはほとんど書かれていない。
つまり、私が子供の頃は、完全に父性原理に基づいてものだったが、現在では、母性原理に変化したということである。
父性原理は、左脳的思考とも言える。それに対し、母性原理は、右脳的思考だ。
左脳的思考というのは、規範的、義務的、画一的な考え方である。子供の躾に対し、ダメなものはダメ、悪いことは悪いと、社会通念、理性に基づいた考え方である。
この40年間で、左から右に大きく転換された。右脳的思考とは、感情的、権利的、多様的な考え方だ。左と右とでは、 180度違うと考えれば判り易い。
叱ることよりも、褒めること、これも父性から母性への考え方の代表的なものである。
日本の社会は、振り子のように、左から右に振れた。どちらも重要だと知りながら、その両方を両立しようとすることができなかった。左過ぎれば右に傾き、右過ぎれば左に傾く。
教育の世界では、左から右に変化した。父性から母性への転換である。この理由は、家長たる父親の威厳がなくなり、子育ての中心が母親にシフトしたからではなかろうか。
一方、経営や管理の世界は、右から左に傾いた。
元々日本の企業は、母性原理、右脳的思考の会社が多かった。義理人情を原点にした、終身雇用、年功序列がその典型だ。つまり、それは、感情的であり、権利的で、納得が得られないということになって行き、やがて崩壊した。
それから、急速に父性原理、左脳的思考の競争社会に傾斜した。規律、論理、実力、成果を重視し、感性よりも理性へと傾いたのだ。
つまり、日本は、教育でも、企業でも、母性原理と父性原理の両立を図ることなく、どちらか一方に傾くことで、それを変化だと位置付けたのだ。
子供の頃は、母性原理で、長所を伸ばしましょうと育てられ、大人になって社会に出ると、父性原理で、長所を伸ばそうが、短所を克服しようが、規則、規律、論理性、成果、結果に基づいて評価されれば、切り捨てられるという矛盾の壁にあたる。
母性原理は包み込み、父性原理は切り捨てである。母親は優しく、父親は厳しい。これが、これまでだった。しかし、母親が毎日イライラして厳しく、父親は家にいないから叱らず優しいというのではどうなるか。
企業の話に戻せば、大半の子供たちが母性原理に基づいて、学校でも家庭でも育てられるようになった結果、父性原理の競争社会では、その考え方が通用しないのだ。それなのに、企業の中でも、父親の存在であるべき上司が、父性原理を発揮できない。だから、競争社会について行けなくなる。
私は、これからの企業には、母性原理と父性原理の両立が重要に思う。理性を中心とした父性のみではなく、母性原理の感性を取り入れるべきである。
これは何も、教育が母性中心になったからではない。むしろ、教育の分野では父性の復活が必要なのである。私が言いたいのは、母性と父性の両立である。母性か父性の二者択一ではないということである。
理念や理性だけでもダメなんだ。感性や感情も重要なんだ。
最後まで読んで頂き、感謝申し上げます。
感謝。 毎朝6時に社内朝礼ブログをこちらで公開しています。こちらもご覧頂けたら幸いです。
この内容に共感頂けたらこちらをクリックして下さい。ありがとうございます。
※このブログは日本最大級の社長動画サイト賢者.TVのランキングで堂々第一位となりました。
投稿者 :堀田信弘: 2009年6月20日 05:01