【堀田信弘の今日の語録】 『この会社は、きっと伸びるだろうな。他の会社と違うことができること自体に可能性を秘めているから。』


経営者について  「活・喝・勝」


改善・改良・改革・革新

悪い点を直すことを、改善という。マイナスをプラスにすることだ。その程度の議論をしているようでは、日が暮れてしまう。

現状でプラスで動いていたとしても、現状に満足せず、もっともっと良い方法に改めることを改良という。プラスの数値を上げることである。これに取り組むのは最低限の話だ。やって当たり前。この程度の改良の議論をしているようでは、日が暮れてしまう。

同じプラスの数値を上げるのであっても、桁が違うくらいに数値を上げるには、改良の類では、日が暮れてしまうと言っているのだ。

改善、改良をするのは当たり前だ。それを継続させるのは、経営者の責務である。しかし、それを実行するのは、経営者ではなく、現場だ。経営者が実行しなければならないのは、桁が違うくらいに数値を上げる方法を考えることである。

これを改革という。

改革は、×から○にする改善でも、○から◎にする改良でもない。◎から△にするくらい形を変えることである。形を変えることで、桁違いの数値を上げる方法を考えるのだ。◎の延長では、いつまで考えていても決して△にはならない。ましてや、それを現場任せにしていても、いつまで経っても出てくるはずがない。

改革とは、形を変え、形を壊すことである。ぶっ壊すことができるのは、トップでないとできない。ぶっ壊して、◎からマイナスになってしまうリスクだってある。その覚悟を持ってもやり抜かなければならないのである。

改革とは、これまでの形を見直して、改めることである。しかし、いつまでもこれまでの形を前提に考えていたら、これまた日が暮れてしまう。

もっと考えなければならないのは、改革よりも、遥かに進んだ革新である。

革新とは、創造である。新たなものを作ることである。新しい取り組み、新しいやり方を導入することである。これまでにない事業を起こしたり、これまでにない制度を新設することでもある。

これまでの形を変えた改革ではなく、これまでやっていないことをやることである。これにどう取り組めるかどうか、その差が企業の差になる。

経営者は常に革新性を追求し、これまでやっていないことでも受け入れられるような組織にする。組織内の人は、革新しなければならない意味を理解し、失敗することの多い革新に対し、恐れず取り組めるかが鍵である。

しかし、革新、つまりイノベーションは、簡単ではない。トップが声高に叫んでも、トップダウンで指示しても、そう簡単にイノベーションを歓迎できる組織にはならないのだ。

私はかつて『気持ちのイノベーション』の中で、『トップダウン的に経営革新を図ろうとしたが、社員の心を革新することができなかったのだ。不満だらけだ。』と書いた。

イノベーションの最大の難関は、社員の心を革新することである。社員の心を革新するという意味は、心を変えさせるのではなく、これまでなかった心を新たに持たせることである。新しく気付かせることである。これまでの考え方、気持ちを改革することではなく、つまりぶっ壊すことではないのだ。

ところが社員には、革新も改革も同じに映る。こちらの気持ちも、こちらの考え方も少しは判ってほしいと、新しいことを受け入れるのを拒み、気持ちをズタズタにされてたまるかと抵抗される。

これは、私自身が革新と改革を頭では理解していながら、混同して伝えていたようだと反省する。それに段取りが不味かった。

改善できないような組織が、改良などできるはずがない。まだマイナス要因を自分たちで直そうという気持ちになっていないのだから、やれるはずもない。それを求めるほうが失格者だということである。

しかも、改良までは、自分たちの力で、終わりがなく永続的に取り組める組織になっていなければ、とてもとても改革など受け入れられるはずがない。

これほどまでに改良に改良を重ね、これでもかというくらいにやった上で、限界を感じてもらわなければならないのだ。限界を感じるという意義は大きい。

限界を感じれば、一か八かでも、それ以外のやり方を受け入れざる得ない考えを、指図されずとも持てるようにしなければならないのだ。

あるいは、桁違いの数値アップを持たせることである。桁違いの数値アップは、改善や改良といった程度では限界で、これまでのやり方を否定するところから考えさせることが必要なのである。

そのような改革が受け入れて初めて、革新を求めることができる。

経営者がどんなに革新的な発想を持っていても、それを担う側が、その革新性を求めるような状況を作り上げなければならないのである。それもまた経営者の大きな仕事である。

私は今、現場が進んで改善に取り組める組織になっているかと問われると、全くを持ってノーとしか回答できない。つまり、その先の改良も、改革も革新も、二の次というような段階なのだ。つまり、このままでは日が暮れてしまう。日が暮れるとは倒産するという意味である。

マイナスをプラスにすること、それが改善である。悪い点を良くすることである。そのために、悪い点を認めることができるようにするところからスタートである。悪い点を洗い出し、悪いところ、劣っているところを素直に認められるようにすることである。

これは、心の改善でもある。素直に指摘を受け入れられるようにすることである。素直に、素直に、反省できるようにすることである。そして、直そうとすることが改善なのだ。言われて仕方なく直すのではなく、自らが反省して直さなければと思えるようにすることである。

まずは、心の改善を求めよう。次が、良いものをもっともっと伸ばす改良だ。

改善、改良、改革、革新。

重要なことは、何をやるかではなく、順番に自然にやれるような組織にすることである。

しかし、心の改善など、宗教家であるまいし、経営者ができるはずも、やるべき事項でもない。求めることはできても、人の心を変えるなどというのは他人がするものではない。

自らが、変えなければという心を持てるようにならなくては、他人が人の心など変えられない。変えるための意義を知らせ、変える必要性を理解してもらい、自分から変えようと思ってもらうような環境作りしかできないのである。経営者が行うことは、環境作りと、気づきを与えることしかない。

それを理解してもらうには、リーダーであるトップ自らが心を改善をし、心を改良して、心を改革して、革新させることだ。私は、それに取り組もうと思っている。トップが変わらずして、組織が変わるはずもないからである。

私は、自らを革新する意気込みだ。

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投稿者 :堀田信弘: 2009年11月27日 05:08