【堀田信弘の今日の語録】 2010年7月31日 『衰退の陰は、発展と共に常に忍び寄っている。』


リーダーについて  「活・喝・勝」


守れない約束でも守る

誰しも、子供のころから約束を守ることの大切さを教えられてきたはず。誰だって、約束を破られることがどんなに嫌なのかを知っている。知っているからこそ、一旦約束したことは、何としても守ろうとするのは当然なことだ。

約束とは、例え口頭であっても、立派な契約行為である。あるいは、刑事訴訟ともなれば、誰からの指示があったとか、誰と何を約束したかなどの供述は、口頭で言ったという記録がなくても、立派な証拠となりえるのである。

それほどまでに、約束は重い。

その重い約束を平気で破る人のことは、簡単に許せるものではない。

誰しも、平気で約束を破る人のことを、好きになるはずもないであろう。

だがしかし、私も含めて、そんなに簡単に約束を破る人のことを許せないと言い切って言いものだろうか。ならば、約束を破った人が、あなた自身なら、あなたは自分のことを許さないのか。嫌いになるのか。

そう、誰しも約束を破る人は許せないと思いながら、以外にも、多くの人は、約束を破る側になっているということがあるのだ。

遅刻だってそうだ。これは完全に約束違反である。だが、遅刻をする人は、それほど重い約束との認識が薄く、遅刻を平気で繰り返す。まさに、約束を破ったという感覚がないから、罪意識がないのだ。

大体にして、それとこれとは違うだろうと、約束と遅刻を一緒にするなと反論するような人に限って、本当に平気で約束も破るものである。

そして、詫びる。誠意を持って謝れば、何とか許してもらえるという期待があるからである。これまでもそうして、破った約束の対策を講じることで、破ったということを帳消しにできると考えているのだ。

だがこのことは、極一部の人の話ではない。私も含め、ことの大きさは別にして多くの人が同じような過ちを犯しているはずである。本人は、小さなことだから、すでに記憶からないかも知れないが、本来、約束に大きいも小さいもないのである。

約束したことが、小さい、大きい、軽い、重いと考えている時点で、約束を軽率にとらえているということである。重い約束は守ろうとするが、些細な約束は破っても影響が少ないというのは、破る側の勝手な論理で、破られた側からすれば、大小に関わらず、約束を反故にされた事実には変わりない。約束を破った人と思うのは、当然である。

こうして約束を考えてみると、簡単に約束などすべきではない。

守れない約束などするなというべきであろう。

これもごもっともな意見だ。

約束をしなければ、守る必要も、破ることも、前提がないのだから、おとがめがない。これは、もしかして守れないかも知れないとしたら、約束をしなければ済んでしまう。

だが、私はこの考え方は好きでない。ましてや、このブログを読んでいるリーダーならば、約束をしなくて済むということでは到底リーダーシップが図れない。

守れない約束はするなと言ったら、100%守れるであろう約束しかしなくなるだろう。1%でも守れないかも知れない可能性があるとしたら、それは守れない部類に入ってしまう。

しかし、現実的に、100%守れるであろう約束など存在しないに近い。

例えば、時間を守るということ。決められた時間に行くという約束は、普通に考えれば、100%守れるであろう約束と安易に考えてしまうはず。でも、守れない約束はするなという視点で考えたら、電車が止まるかも知れないし、予期できないことが起こらないとは限らない。

「それは、不可抗力ではないか」と言っているようでは話にならない。不可抗力であろうがなかろうが、約束を破られた相手にとってはどんな事情があれ関係ない。その不可抗力とやらのために、あなたが約束を破り、その結果、重大の事象をもたらしてしまうことだってあるのだ。

それでも、人は、守れるだろうと思って約束する。だったら、守れない約束はするなと言うのではなく、守れない約束でも、守らなければならないのである。

しかも、リーダーなら、一瞬、100%は守れないかも知れないという交渉事は山ほど発生する。それをもしかして守れないからも知れないという考えで、約束ができなければ、結果として交渉できなかった、交渉決裂ということになる。

50%はもしかして守れない可能性があるかもというものでも、何としても守るという行動力を持っていなければ、約束ができる範囲は大幅に減る。それが器量だ。守れない約束でも守る。それがどれだけできるか。

その上で、守れなかった時の責任をどれだけ覚悟しているかということである。

子供でも約束を破ることは悪いことだというのは知っている。それはリーダーなら尚更である。どんな理由であろうとも、何としても守るのだ。

守れない約束はするななどと、正論を言っているのではなく、守れない約束でも守る、それがリーダーの務めだ。

そもそも、会社では、守れないかも知れない目標を掲げる。それでも、最初から守れないかも知れないと考えているようでは、到底、目標をクリアーできるはずがない。

それと、守れない約束はしないという論理で、達成確実な目標を掲げているようでは、ナンセンスである。

守れない約束でも守るとは、そういうことだ。

最後まで読んで頂き、感謝申し上げます。

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投稿者 :堀田信弘: 2010年2月14日 05:51