【堀田信弘の今日の語録】 『この会社は、きっと伸びるだろうな。他の会社と違うことができること自体に可能性を秘めているから。』


企業経営について  「活・喝・勝」


時間のコントロール

時間は、万人に平等に与えられています。ここホーチミンにいても、東京にいても、1日は24時間です。同じ24時間なのに、環境が異なると、時間の流れも、時間の使い方も変わってしまうものです。

一年中真夏のように暑いホーチミンでは、キビキビとしろと言われても、ダラダラしてしまうことのほうが自然なのです。

相変わらず朝早起きすることは変わらないのですが、背広は着ないし、ネクタイもしないので、何となく、ラフな感じになってしまいます。

気候という環境がそうさせるのだから、それに逆らって、暑い中でもキビキビとしろと言われてもできるものではないのかも知れません。

日本でも茹るような真夏の昼間に、キビキビと汗だくになりながら動くのは苦痛でしょう。

日本人が時間にキビキビとできるのは、寒い冬に外で待ちぼうけされるのが嫌だからではないのだろうかと、勝手に考えてしまいました。

ただ環境というのは気候だけでもありません。宗教や儒教のような教え、風習などによっても変わります。会社で言えば、その会社の風土、経営者の方針、お客さまへの姿勢によっても変わることでしょう。

会社は組織である以上、時間を共有し、そこで流れる速さを共有できなければなりません。組織全体として、世の中の時間の流れ、変化のスピードについて行かなければならないのです。

海外展開をするようなグローバルな企業は、環境や地域性、法律、文化の違いなど様々な面で日本とは違うことを理解しなければなりません。しかし、米国企業がそうであるように、どのような国であっても、同じ企業であることを前面に出し、組織を統制することも重要なのです。

それぞれの状況の違いは、そこにいる人、行った人であれば誰でも理解できます。「こちらの状況も汲み取ってほしい」という気持ちになることも当然かも知れません。しかし、企業は、それでも、組織全体として、世の中の時間の流れ、変化のスピードについて行かなければならないのです。

ホーチミンから日本を離れて眺めてみると、日本のほうが時間の流れ、スピードの共有をし易いことが判ります。日本では簡単ですが、それを海外で同様にするというのは簡単でありません。

だからと言って、簡単でないことも単純に認めていたら、海外進出など上手く行くはずもないのです。その点、中国企業や韓国企業は、上手に出来ているように見受けられます。

時間というのは、不思議なものです。人間の精神にも大きな影響も与えます。自分が時間をコントロールするか、あるいは時間に自分がコントロールされるかで、精神的な圧迫が全く異なります。

誰でも時間にコントロールされたいとは思わないでしょう。自らが自分で時間を管理し、時間をコントロールすることで、時間に振り回されるような苦痛を味わいたくないのです。

時間は交渉の道具にも使われるときもあります。交渉の際に、時間や日時に対して、主導権を取るというのは、交渉を有利に運ぶセオリーでもあるのです。

交渉相手に主導権を握られるということは、とても嫌なことです。中でも、時間を他人にコントロールされるというのは、交渉の場でなくても、嫌なものです。

嫌なことを嫌な相手にされるというのは、冷静になれなくなるものです。冷静でなくなると、感情的になり、冷静さを失ったりすると、相手の思うつぼになってしまうのです。

相手に時間をコントロールされたくなかったら、自分で時間をコントロールできるようにならなければなりません。普段から時間に追われ、時間にコントロールされているようでは、簡単に相手にも時間をコントロールされてしまいます。

交渉の大半は、何を、いつまでに、どうするかです。何をするかが決まっても、いつまでにということを決めるのは難しいものです。いつまでを決め間違えてしまえば、時間に追われることになります。時間に追われれば、時間に間に合わせようとして、ミスも誘発することでしょう。あるいは混乱して判断も間違うかも知れません。

詳しく人物を観察すると、時間をコントロールすることが上手な人と、時間にコントロールされている人とを簡単に見分けることができるようになります。

時間にコントロールされている人は、時間に追われ余裕がありません。しかも、考えが浅くなる傾向があります。何といっても集中力に欠けることがあります。これは余裕がないこととも関係しますが、時間の管理、すなわちスケジュール管理が不十分のため、考えることが分散してしまうのではないでしょうか。

時間をコントロールできる人は、自分で時間配分を行い、効率良く、同じ時間でも密度を濃く利用します。複数の仕事を多重でこなすことも比較的上手です。次に何をすべきかを常に考えて行動しているので、忙しい時でもバタバタしません。

時間に余裕がなく、心を亡くすことを忙しいという字で表します。心が亡くなれば、周囲に八つ当たりしたり、愚痴が多くなったりするものです。

時間に余裕がなくなると、追いつめられるような気持ちになります。締め切りや期限、約束した日が近付くと、それまでに終えることができない、果たすことができないというような場合、慌ててきます。

夏休みの宿題を、夏休み最後の日に慌てて行うような心境です。ビジネスの世界では、そんな甘いものではなく、胃が痛むほどに期限に押しつぶされそうになることもあるのです。

そして当日を迎える。それまでに色々と動き回り、必死でもがいても、結局期限に間に合わなかったというようなことだってあり得ます。

どんなに期限を守ろうとしても、自分ひとりでは解決できないことなど山ほどあるのです。相手からの回答待ちのために、ただ時間だけが過ぎて行き、相手マターとなって最終的にNGとなることもあるのです。色々な手を打ったつもりでも、自分が寝ないで動いても、どうしようもないこともあるのです。

その時にどうするか。期限を守ることはとても重要なことですが、守れなかった時にどう相手に誠意を見せるかというのは、もっと難しいことかも知れません。

誤って済むものでない場合もあるでしょう。言い訳など一切認めてもらえない場合だってあるはずです。誤ることも必要ですし、事情を話すことも理解できます。しかし、それで守れなかったことを許してもらえるかも知れないという魂胆があるのなら、それは間違いです。

(次回に続く)

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投稿者 :堀田信弘: 2010年4月15日 05:57