【堀田信弘の今日の語録】 2010年9月 8日 『中身じゃないよ見た目だよ。中身がしっかりしているのなら、見た目もしっかりすれば良いんだよ。見た目がしっかりしていても、中身がないんじゃ話にならないが。』


世の中について  「活・喝・勝」


言葉と言霊と前向きと

これまで起きたことは、明日からのために起きてくれたのだと思うと、とても前向きになりますね。実際に、あれほど嫌な思いや、辛くて苦しい経験をしたのに、今、私たちはこうして生きているのです。

生きているということは、過去の経験を乗り越えてきているのです。そのように前向きに考えると、起きたことは全て無駄ではなく、良いことだったとも言えるでしょう。このように考えられれば、さらに前向きになりませんか。

前向きになるということは、半ば無理やりに前向きになるように、そして都合の良いように考えることでもあるのです。

結構これって出来そうで出来ないですよね。

だからこそ思うのです。本当に前向き、つまりプラス思考ができる人というのは、自己暗示が掛けることができる人だと。逆に言えば、根っからのプラス思考で、何事にも動じないというのは、真のプラス思考ではありません。

陽気で明るく、天真爛漫、悪い言い方をすれば能天気なだけで、困難な時や辛い時にこそ、必死でもがきながら何とかして前向きに生きようとできる人が、真のプラス思考の人なのだと思います。

自分なんて、マイナス思考の塊です。

いつも泣きべそをかいています。正直言って、涙もろいし、逃げたくなることなんてしばしばです。胃が痛いなんてことは日常です。おまけに高血圧で抑圧剤を飲んでいるのですが、嫌なことや辛いことがあると、後頭部がズキンズキンして体まで悲鳴を上げているのが判るほどに、精神的に弱いのです。

弱いところを挙げだしたら、それを書くだけでも滅入ってしまうので、この辺にしておきますが、それほどまでに弱い人間なのです。

それでも、それでも、起きたことは全て無駄ではなく、自分のためになる良いことだったのだと、何度も何度も言い聞かせて、そう思い込むように自己暗示をかけるのです。

以前、体調を崩して入院したことがありました。

入院するまでは、こんなに忙しいのならいっそのこと倒れて、入院できれば楽になるのにと思っていました。ところが、忙しいから入院するのと、病気になってから入院するのとでは勝手が違います。

手術の前日、麻酔科の医師から全身麻酔の説明がありました。

「麻酔は絶対にリスクがないとは言えません。麻酔が原因で死亡に至る確率はおおよそ10万人に一人くらいです。」

10万人に一人の確率が高いのか、少ないのか意味が判りません。ただ、何日か、何ヶ月に1一人の割合で死んでいる人がいるということです。

「でも、あなたの場合は、薬アレルギーがあるので、少し確率が高いかも知れません」

益々不安になります。

手術前日の晩、不安と心配で眠れなくなります。

隣のベットには、同じく翌朝手術する人がいました。

今回で3度目の手術だそうです。

「心配で眠れないのでしょう。でも、眠らないで悩んでも明日の朝は必ず向かえます。ぐっすりと眠っても同じく朝は向かえますよ。手術の成功を願うのなら、睡眠不足よりはぐっすり眠ったほうが良いでしょう。」と話をしてくれました。

「私は、癌が転移して、3度目の手術です。死ぬかもしれないと考えるとやはり眠れませんが、眠らないで朝まで考えても、何も変えることもできないのです。それだったらぐっすり眠って、体調を整えたほうが少しでも長生きするかと思うようになったのです。」

その彼は、当時40代半ばごろの人でした。働き盛りで、子供もいるのに、どんなにか不安であろうと思いました。

しかし、彼の言葉は、不安を隠し、意図的に前向きな言葉を発しようとしているように感じました。前向きな言葉を発することで、直ぐにでも泣きだしてしまいそうな自分自身に、勇気を与えるかのようにしているのです。

良い言葉を発すると良い事が起こり、悪い言葉を発すると悪い事が起こるということを、言霊(ことだま)と言います。

人間は、声に出した言葉が現実の事象に対して何らかの影響を与えられると言われています。それは、言葉を発することで、その言葉と同様の思考をし、そして行動も言葉に沿った形になるからではないでしょうか。

40代半ばで3度もの手術をするような人でも、死んでたまるかという意思の強さが、弱音を吐いても仕方ないと悟り、絶対に生きたいという意思の表れとして前向きな言葉が発せられているのでしょう。

もし自分が、転移した癌の手術をすることになったら、同じような考えを持てるだろうかと思いました。そして同時に、死を覚悟した人からすれば、自分のような悩みや不安など、小さなものだと思えるようになりました。

この時の経験が、意図的に自分に暗示をかけるのが、前向きになることなのだと考えるようになったのです。

良い言葉を発すると良い事が起こり、悪い言葉を発すると悪い事が起こるという言霊についても、この時の経験が元になっているのです。

人間は、このように他人から学ぶ、他人から気づかせてもらえるということが沢山あります。経験というのは、出会いが元になるものでもあるのです。

人と出会うことによって、新しい可能性が生まれます。そして、新しい行動をすることによって、新しい経験をするのです。

一度経験をすると、経験をしていない時と異なり、同じような経験をする場面において、大きな参考になります。しかし、経験していないと、自分の中で、過去の事例がないために不安だけが先行してしまうのです。

できるだけ多くの経験をすればするほど、ある意味で強くなるのかも知れません。だから、年老いた人と話をすると、小さなことでは動じないということが感じられるはずです。

戦争も含め、様々な悲しい出来事や、多くの困難を乗り越えて来ているからこそ、それよりも小さなことでは驚かないのでしょう。

もしそれが年老いてからではなく、今の現役の時に、誰よりも多くの経験をしていれば、その分、その差が強みになるのでしょう。つまり、多くの経験をするということは、精神力を強化しているのです。

精神力が弱いというのは、無菌室の中にいるようで、そこから出ると小さな環境の変化にも耐えられない状態にあるのと同じです。無菌室の中にいればさえ安全ですが、現実の社会では、無菌室の中で生活するというのは、引きこもりそのものです。

(次回に続く)

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投稿者 :堀田信弘: 2010年4月23日 05:00