【堀田信弘の今日の語録】 『この会社は、きっと伸びるだろうな。他の会社と違うことができること自体に可能性を秘めているから。』


世の中について  「活・喝・勝」


個性と多様性

あらゆる商品の世界一の消費国は、アメリカです。日本は、アメリカの人口の約半分ほどですが、消費額で2倍、つまり一人当たりの消費額ではアメリカの4倍も消費している商品があります。

それは高級ブランド品です。

世界の高級ブランド品の約半数は、日本人によって消費されていると言われています。日本国内だけでなく、海外店舗でも日本人観光客によって購入されているのです。それほどまでに日本人は、ブランド思考の強い人種だと言えるでしょう。

ちなみに、コピー商品で有名な中国ですが、地下のショッピングセンターにあるブランド物のスーパーコピー品店に行くと、客の大半は日本人だと教えてくれたことがあります。

偽物を製造する中国が批判されていますが、その購入者の大半は日本人であり、言いかえれば中国は日本人がほしがるから製造しているとも言えるでしょう。

野村総合研究所は10年間にわたって「NRI生活者1万人アンケート調査」を実施し、日本人の消費意識を調査しています。

その調査結果によると、以前から変わらない日本人の消費意識の特徴は、「寄らば大樹型」、「流行追求型」、「こだわり消費型」の三つに分類されています。

近くの鳥たちが数多くいるほうへ向かって飛ぶ習性を持つ鳥のことを「寄らば大樹型」と言います。それに対して、近くの鳥たちと、飛ぶ速さと方向を合わせようとするのが「流行追及型」です。近くの鳥や物体に近づきすぎたら、ぶつからないように離れようとするのが「こだわり消費型」です。

「寄らば大樹型」の人は、沢山の人たちと同じ場所にいたほうが安全、安心だと考えるの同時に、少しでも周囲よりも優越感に立ちたいという思考の人たちです。

「流行追及型」の人は、周りの人よりも進みすぎず、また遅れずに「流行にこだわる」という意識を持っている人たちです。

「こだわり消費型」は、ある程度の枠から外れないように意識しながら、その中でいかに個性を出すかという、「小さな自分なりのこだわり」を重視する人たちです。

この中で、「寄らば大樹型」や「流行追及型」が多いというのは、日本人の特徴です。中でも、「寄らば大樹型」の人がブランド思考の強い人と言えるでしょう。

また、「こだわり消費型」に分類される人も、欧米の人たちとは少し異なるようです。日本人は、「小さな自分なりのこだわり」を考えており、欧米人のように、大幅に周囲よりもはみ出すことや、強烈な個性を出すことは少ないようです。

周りの人たちと一線を画すことで、適度な距離を持ち、決して真似をしない自分だけの個性を出したいと考える人たちです。

なぜ、日本人は、このように極端を嫌い、集団的な流れを意識し、群れるような特性を持っているのでしょうか。

多くの外国人と付き合ったり、様々な国に行ってみると、総じて言えることは宗教的な建物を見たり、宗教的な儀式を日常的に感じることができます。

どうやら海外の人たちは、宗教の種類こそ異なるものの、自分の信じる宗教を通じて、常に神と向かいあっているように思えます。

その結果、神と向かい合うことで、他人よりも神との関わりを優先した個人主義が強いのです。家族においても、一人一人が神と向かい合い、その同じ営みを通じて家族の絆を深めているのでしょう。

家族の考え方も世界中で異なります。

例えば、マレーシアやモンゴル、ミャンマーなどの国では、名前だけで名字となる姓がありません。姓がないということは、自分の先祖に対する祖先崇拝という意識がなく、それよりももっとその源となる神の存在のほうが偉大なのです。

そのため、教会や寺院には熱心に足を運びますが、お墓参りという習慣がないところもあるのです。

ベトナムでは、姓は存在しますが、ベトナム人で4割以上も占め最も多い姓は「グエン」さんです。「グエン」は、グエン王朝を由来にしています。あまりにも「グエン」さんが多いので、姓で呼ぶことは少ないです。

一方、韓国では、日本よりも血族を大切にしています。そのため、女性は、結婚しても姓を変えることはしないのです。それは姓で同じ血族かどうかを判断するためなのです。

しかも、同じルーツを持つ血族同士は結婚できないことになっているようです。ルーツは、姓だけでなく、その血族の出身地、発祥地に分類されています。

韓国には、金という姓が多いですが、同じ金でも、様々なルーツにより金の血族が分類されています。「○○の金」「××の金」と同じ血族かどうかを確認するのも韓国ならではです。

韓国と言えば、儒教の影響が強い国です。

わが社にいる韓国人社員と一緒に酒席に参加した時、長幼の序がしっかりしていることに驚かされました。

一歳でも年上の人や、目上の人の前で酒を飲む時は、酒を飲んでいる姿を見られないように、顔を手で隠しながら横を向いて酒を飲みます。お酌をする時は、片手では失礼だと両手で行います。タバコも年上の人の前では吸いません。

同じように年上の人を敬うのは、ベトナム人も同じです。日本語と同じように敬語が発展しており、さらにその敬語は、男性向けと女性向けとにも分かれているのです。一歳でも年上の人のことは、先輩として尊敬するという意識がとても強いのです。

わが社には様々国の人がいますが、彼らから学ぶことは、世界には多様な文化があり、様々な考え方があるということです。日本の常識が世界の常識ではなく、世界では通用しないことが沢山あるということを教えてくれます。

その一方で外国に行くと、普段日本にいると気がつかない些細なことでも、他の国にはない日本人の良さというのにも気が付くことができます。

日本人の良いと思うところが悪いことであったり、あるいはその逆のことも、世界という視点から見ると、多様的な側面があるということを享受できるのかが問われるのだと思います。

つまり、島国で、無宗教、単一民族の日本人には、多様性を享受するということに慣れていないのでしょう。

多くの国のほとんどが多民族国家であり、複数の宗教が存在し、争いを経験しながら、日常的に多様性を目にしているのです。そして、自分の命は自分で守るという意識から、個性が発展しているのでしょう。

(次回に続く)

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投稿者 :堀田信弘: 2010年5月 1日 05:45