連休明けの先週は、久しぶりの仕事復帰で、さぞかし疲れたことでしょう。長い休み明けの仕事というのは、誰でも疲れやすいものです。さて、今週はどうでしょうか。
これまで規則正しい生活リズムをしていたものが、長い休みの間に一気にそのリズムが切れ、それに伴って気持ちの張りもプツリと切れてしまったのです。それをまた、気の張った規則正しい生活リズムに戻すのですから、それは誰でも疲れます。
特に4月から新しい環境になった新入生や、新入社員などにとっては、初めての長い休暇を向かえ、それまでの緊張感から一気に解放されることになったことでしょう。
5月も半ばになり、先週から仕事に復帰し、今週くらいから、五月病の症状は急激に増え始めます。
五月病というのは、医学的に適用障害やうつ病と診断される精神科の病で、ゴールデンウィークが終わった今頃から起こる日本独特の心の病です。
4月に入社、入学した人は、新しい環境へ期待から、やる気があって気、何とか早く環境に慣れようと気を張って頑張っていたものが、5月のゴールデンウィーク中に、解放感からか、疲れが一気に噴き出します。
連休後の休み明けには、遊び過ぎの疲れが出たり、休みムードから中々仕事モードに入れなくなり、一気に気力がなえてしまうことがあるのです。
長い休み明けには誰しもこのような経験をすることを知っていますが、入社したばかりの新入社員にとって、初めて無気力状態に陥ることを体験すると、そこから抜け出すことができなくなってしまう人もいるのでしょう。
元々五月病とは、日本一厳しい受験競争を勝ち抜いた、東京大学に入学を果たした新入生が、その後に目標を失って無気力に陥ることがあることから使われ始めた言葉だそうです。
目標を達成した後に、次の目標を見つけることができず、気が抜けてしまうのです。このようなことは、新入生だけでなく、日々の生活においても発生します。
身近なところでは、週末がそれに該当します。平日は忙しく気を張って頑張っていますが、週末にその疲れを取ろうと、ゆっくりと昼近くまで寝坊をしていると、返って心身のバランスが崩れ病気になることがあるのです。
病は気からと言いますが、正にその通りで、張り詰めていた気が抜けると、直ぐに風邪を引いたりします。平日と休日の時間の使い方に相当な差があると、休日明けの月曜日にその症状は現れるのです。
毎朝、月曜日の様子を見ていると、月曜日は、他の曜日よりも遅刻をする人や休みを取る人が多くなる傾向が見られます。これはどの会社でも同様だと思われます。教師をする妻の学校でも、この現象は多くの生徒に見られるようです。
休日明けに休みが多くなる理由は、いくつか考えられますが、平日が苦で、休日が楽という感情が生まれるからだと言えるでしょう。
休日が楽しい、あるいは楽だと思うことは自然な気持ちです。休日は、息抜きをする日であり、リラックスしてストレスを解消する日でもあるからです。
しかし、人間は、楽の状態を経験すると、苦の状態に行くことは誰しも嫌なことです。誰でも楽なほう楽なほうに流れてしまうものなのです。
バングラディシュに行った時、イスラム教では、一日に5回の祈りを捧げるということを聞きました。早朝、昼過ぎ、午後、日没、夜の5回です。
祈りの前には、モスクから拡声器を通じてコーランが流されます。滞在したホテルにいても、早朝から大きな声が聞こえていました。
これが毎日繰り返されます。そのため、イスラム教徒は、平日も休日も規則正しい生活が保たれるのです。
しかし、バングラデシュでも、若者は休日に遊びたい、休みたいと考える人が出るのは普通なことです。どんなにイスラム教徒でも、人間というのは楽なほう楽なほうに流されるのです。
そのため、バングラデシュの会社では、休日明けに遅刻した場合と、それ以外の日に遅刻した場合には、その重さが違うということを知りました。ましてや、休日明けに休むというのは、だらしのない証拠だと厳しく罰せられます。
一旦人間は、平日が苦で、休日が楽という感情が生まれると、休日よりも遥かに多い平日に対し、やること全てがストレスに感じるようになります。
主な原因は、時間の使い方に乱れが生じることだと言われています。人間には体内時計が備わっていて、その時計で眠くなったり、お腹がすいたりします。しかし、体内時計が狂うと、病気の原因になるのです。
休日に遅くまで寝坊をして、睡眠のリズムを崩すと、人間は、長い睡眠時間のほうをベースに考えるようになり、それよりも少しでも短いとストレスとして感じるのです。ストレスとして感じると、平日は苦になり、早く休日が来るのを楽しみに思うようになるのです。
バングラディシュでは、休日に早朝のお祈りをしないということは、休日に楽をして、リスムを崩すきっかけを作ったとされるのです。
また、それとは別に、休日に遊び過ぎて、平日の疲れを取るどころか、休日の疲れが休日明けに現れて風邪を引いてしまうのはだらしないからだとされているのです。
休日と平日のリズムの差は、様々な面で体に影響し、心に影響を与えるのです。
自己管理というのは、いつでもどこでも、生活のリズムを保つ、ということから始まると言っても良いでしょう。休日でも生活のリズムを崩すのは、自己管理できていないということなのです。
ちなみに、ある調査によると、若年性アルツハイマーになる人の中には、休日に睡眠を取り過ぎる傾向があるという特徴が書かれていました。体は休めても、頭を休め過ぎることは決して良いことではないようです。
寝不足も体に良くないですが、寝過ぎだって良くないのですね。楽しようとすると、体にも変調をきたすことになってしまうのですね。
休日が楽しくて、楽に思えれば思えるほど、その反動で平日は、苦しいながらも仕方なく無理して我慢している状態に思えてしまうことは必然的なことなのでしょう。
休日に楽しむなということを言っているのではありません。重要なことは、生活のリズムを崩さないということなのです。
そうは言っても、長い休みのゴールデンウィークや、夏休み、正月などでは、生活のリズムを崩さないようにするのが難しいことでしょう。
五月病になる人も、単に生活のリズムを崩したからという理由ではないのです。張り詰めていたものが無くなり、気力がなえてしまうために起こるのです。
(次回に続く)
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投稿者 :堀田信弘: 2010年5月17日 05:52