【堀田信弘の今日の語録】 『この会社は、きっと伸びるだろうな。他の会社と違うことができること自体に可能性を秘めているから。』


経営者について  「活・喝・勝」


強い会社の3つの特徴

どうして、決まったことが徹底できないのだろう、一度始まったことが持続できないのだろう、と嘆く経営者は多いことでしょう。

どうしてこんな単純なことが徹底できないのかと苛立ちさえ覚えるかも知れません。

しかし、考えてみれば、軍隊でもあるまいし、そう簡単に徹底できないほうが普通なのかも知れません。

だとすれば、なぜ、そんなに簡単なことでない指示の徹底を、軍隊はできるのでしょうか。

自衛隊員も役所の公務員と同じです。もちろん、私たちと同じ日本人ですし、宗教団体に参加する熱心な信者の集まりでもありません。

規律が厳しいからでしょうか。もしそうなら規律を厳しくすれば、会社でも徹底できますか。

それとも、上司が怖い、権限があるなどでしょうか。それなら、上司に権限を与え、厳しくさせれば良いではないですか。しかし、誰が簡単にそのような上司を受け入れますか。

ある会社を訪問した時、すれ違う度にそこの社員が、一様に大きな声で「こんにちは」と挨拶していたことがありました。

その会社のトイレに行くと、「大きな声で挨拶しましょう。挨拶をすると気分が良くなります」と張り紙されていました。

また、ある会社では、部屋に入ると、一斉に部屋にいる社員がさっと立ち上がり、「いらっしゃいませ」と大きな声で挨拶していました。

両方とも挨拶の例ですが、この2社には、決まったことを徹底できる共通点があります。

それは3点です。

1点目は、社長自身が、根性と持続力があり、継続しようとする、徹底しようとする意欲が極めて高いということです。言わば、トップ自ら率先垂範しているということです。

トップが口だけで、トップが行わなければ、誰でもトップの指示に従うはずがありません。

自らは進んで行うことはもとより、常に、例外を設けない、一度決まったことは簡単に変更しない、さらには、継続することの大切さと、徹底することの重要性を自らが示しているのです。

そして2点目は、訓練されているということです。

これは、自衛隊や消防隊などと同様なことでしょう。決めただけでなく、毎日毎日、繰り返し、繰り返し、同じことを朝礼や、会議などで徹底しているのです。恐らく、前述の2社は、日々、注意しあったりして、訓練しているのでしょう。

そもそも、一斉に立ち上がって挨拶したり、誰もがすれ違う度に挨拶するなどというのは、たった一日で実現できるものではありません。何日、何年も繰り返し繰り返し、根気強く、粘り強く行わなければ、簡単にできるはずがないのです。

軍隊が、指示命令に徹して、いち早く末端まで伝達されるのも、日々の訓練の賜物です。

下着メーカーで有名なトリンプでは、早朝会議やノー残業などのユニークな社内制度で有名です。

以前、テレビで、終業時間になると、自動的に事務所の電気が消されていくのを見たことがあります。

これは、半ば強制的で、少し訓練とは言えないかも知れませんが、決めたことを徹底し、例外なく、継続して実施するというのは、日々の訓練と同様な意味があると思います。

ある意味、訓練というのは、強制的なものです。消防訓練であれば、決められた指示通りに動く以外、自由意志など認められません。それを認めていたら、速やかな避難、集団での行動に支障がでるからです。

だから、訓練というのは、教育ではなく、強制的な集団活動と言えるでしょう。

社内教育は重要だという経営者は多いでしょうが、社内訓練を行っている会社は少ないのではないでしょうか。それは、訓練ということが簡単に受け入れられないのかも知れません。

その鍵を解くのが3番目の特徴です。

最後の共通点は、どちらの社長も社員から尊敬されているということです。

軍隊と同様に、団結力が強く、そして指示命令に絶対で、根性と持続力がある組織と言えば、ヤクザでしょう。

親分の言うことは絶対なのです。

学校の先生はもちろん、自分の親の言うこともきかず、不良少年であったものが、なぜ、親分の言うことには逆らえず、速やかに従うのでしょう。

それは、簡単に言えば、親分を愛しているからでしょう。

親分からも余りあるくらいに面倒をみてもらい、世話になっているのかも知れません。命の恩人のような固い絆で結ばれているからこそ、親分の身代わりになったりすることができるのですね。

そして、尊敬されているのでしょう。

中々、会社の社長が尊敬されて、社員の多くから愛されるというのは、簡単ではありません。

しかも、何十人、何百人もの社員数にもなれば、直接話すこともないでしょうし、社長のことが好きだから入社したという理由ばかりの社員ではなくなることでしょう。

しかし、前述の2社の社長は、決してヤクザ風でもなければ、怖い人でもありませんが、多くの社員から尊敬されているような感じがしました。

他の会社で、社長のことが好きだというようなことは時々聞きますが、社長を尊敬しているというような言葉を聞くのは、本当に稀だと思います。

とてもとても真似できるものではありませんね。

だからこそ、決まったことを徹底する、継続することが難しいのです。言い替えると、社長自らが根性と持続力があり、そして日々の訓練をして、尊敬される社長ではないとできないということなのです。

このように考えると、徹底できないと社員を嘆くのではなく、尊敬されていない社長自身に嘆いたほうが良いかも知れません。

簡単に言えば、尊敬できない社長の指示には、簡単には従わないということなのでしょう。それが人間の自然な姿なのです。

それを独裁者のように、強制的に訓練を行っても、形式だけ従っているように見えるも、決して前向きに取り組むようなことはしないでしょう。

できない理由は、社長にあったということです。本当に反省させられます。

社長自身が、尊敬されるような経営をしなければ、どんなに良いことを言っても、絵に描いた餅になるだけなのです。

耳が痛いですね。自分ができないのに、他人にやれと言ってもできるはずもないですね。しかし、良い会社を知って、理解することは重要なことです。そのような会社と出会えるようになることがまず一歩です。

そして、現実とのギャップを知り、少しづつでも自分自身のことから見直して行ければと思います。

(次回に続く)

最後まで読んで頂き、感謝申し上げます。

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投稿者 :堀田信弘: 2010年6月18日 05:54