【堀田信弘の今日の語録】 2010年9月 8日 『中身じゃないよ見た目だよ。中身がしっかりしているのなら、見た目もしっかりすれば良いんだよ。見た目がしっかりしていても、中身がないんじゃ話にならないが。』


経営者について  「活・喝・勝」


短所と長所

日本は今、世界から取り残されたガラパゴス化現象が起きていると言われています。世界で最も進んでいたと思われることが、実は世界標準から取り残されているというようなことが起きているのです。

携帯電話やカーナビなど、島国という日本国内だけで、独自の進化を遂げていたものが、気がついたら、世界のニーズを取り入れられず、世界の他のメーカーから大きく引き離されてしまったのです。

テレビなどの家電製品でも、日本人の好みは多種多様で、国内のメーカーはそれに合わせるかのように、同じ製品でも何種類ものラインナップを揃え、ニーズに応えようとしました。

しかし、結果として日本独自に多品種少量生産は、メーカーの体力を奪い、利益率の低い産業となってしまったのです。

それに対し、韓国のサムスンなどは、狭い自国のマーケットよりも、世界全体のマーケットを意識し、ニーズを絞ることで、少品種大量生産を行うことで、コストを下げることで価格競争を優位に運ぶだけでなく、大幅な利益を生むことに成功したのです。

このように、一歩外に出ないと、気がつかないことが沢山あります。

このことは、人にも言えることでしょう。自分には気がつかないことが、他人から指摘されて初めて気がつくこともあるのです。他人と関わらなければ、気がつかないことが沢山あるとも言えるでしょう。

人間にも長所と短所があるように、会社にだって長所と短所はあるのです。

そして、長所と短所は、表裏一体なのです。短所を直し長所を伸ばすというのは簡単ですが、短所を直すことと、長所を伸ばすこととでは、その労力も異なるし、成果も全く異なるのです。

人間の場合、短所を直すことよりも、長所を伸ばすほうのが、遥かに人は伸びます。それは、短所を直しても、マイナスがゼロになるだけで、長所は、プラスをさらにプラスにアップすることができるからです。

そのため、短所を直すことよりも、長所を伸ばすことで、短所を補おうという考え方あります。

最近では、学校教育でも同様なことが言われ、通信簿には良い点は書いてあっても悪い点は書いてないというようなことが起きているのです。

さらには、叱ることよりも褒めろという風潮が強くなって来ています。これは、人を育てるという意味では大切な考え方ですが、人ではなく会社では、必ずしも正しい考え方ではないと思います。

会社という組織では、叱るということも、褒めるということも両方重要なのです。会社の中で、上司が部下を叱れない、叱ってはいけないなどということがあっては、組織が機能しないのです。

ところが、学校教育を終えたばかりの新入社員の中には、会社に入ったばかりで、叱られ慣れしていないのか、「叱られるのは苦手です」とか「褒められないとやる気がでるのです」と、あたかも叱るほうが悪いのか、叱ってほしくないと予防線を張っているのがいます。

これまでの新入社員なら、「早く会社の環境に慣れるように頑張ります」というようなことを言っていたのですが、最近は、「私は、○○のような環境で働きたい」と自分のほうから、自分の希望を先に言ってくるような傾向もあります。

さらには、「早く会社のことを理解しよう」というのではなく、「自分のことを理解して下さい」というような自分中心のところも見られます。

旧来型の古参人間からすると、わがままになっているような、それでいて軟弱化しているような感じがするものです。

将来、そのような人たちが、上司の立場になったらどうなるのだろうと心配にさえなってしまいます。

このような風潮は、学校教育だけでなく、家庭環境、社会環境なども影響し、それらは時代と共に変化をして行くことから仕方ないことです。ゆとり教育のせいにしても仕方ないですね。

どの時代でも、「今の若者は」と言われてきたのですから、今さら今の若者だけが特別に変なのではなく、いつの時代でもこれまでのタイプと異なっているという自然な現象なのでしょう。

しかし、会社は、仕方ないでは済みません。会社は、会社の個性を持つために、学校教育や家庭環境、社会環境などのせいにすれば良いというのではないのです。

時代の変化に合わせることは重要なことですが、どんな時代になろうとも、上司が部下を叱れないようでは組織として機能しないのです。指示命令にも従えないようになったら、学生時代のサークル活動にしか過ぎないのです。

だから、会社という組織は、組織力がアップするようなことを常に意識し、そして、社会の環境変化にも準じて変化し続けなければならないのです。

また、人には、誰でも短所もあり長所もあるものです。決して短所がない人など絶対にいません。

しかし、会社にとっては、短所というマイナス面があるということは、どんなにプラス面があっても、ほんの僅かなマイナスが、一瞬にしてプラス面を吹き飛ばしてしまうことがあるのです。会社にとって短所は無くす努力をしなければならないのです。

だから、会社では、短所というマイナス点があることを認識しながら、マイナス点を放置するということはできないのです。

つまり、会社は短所を直し、長所を伸ばすことをしなければならないのです。短所を放っておいて、長所を伸ばすなどと言うような悠長なことは言っていられないのです。

ところが、短所を直すということは、人間と同様に、長所を伸ばすことに比べ、極めて難しいことです。時間も労力も費やします。

しかも、伸ばすことには賛成でも、直されることには、誰もが気分の良いものではありません。

伸ばすことには前向きに取りかかれても、直されることには抵抗したりもします。これまで何も問題化しなかったのですから、直す必要がないと思ってしまうのでしょう。

人間でも、他人から短所を指摘されると、自分自身で気がついていることでさえも、気分が悪いことでしょう。そのため、自分自身で短所を認識し、自らが直そうとしなければ、永遠に直すことができないのです。

会社で言えば、社長から言われたから改善するのではなく、社員一人一人が気付き、自社の問題を、自分の問題と捉え、社員それぞれが直そうとしなければならないのです。

長い間に形成された会社の体質を変えるというのは、至難の業です。人間で言えば、生活習慣病を治すようなものですから、「このままでは、治さなければ死んでしまう」というような切羽詰った状況にならないと変えられないのです。

(次回に続く)

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投稿者 :堀田信弘: 2010年6月22日 05:55