会社を変えるのは、一人の人間を変える以上に大変なことでしょう。古くて歴史のある会社ほど、底に積もっているヘドロは深く、ある程度のショック療法を行わない限り、簡単には取り除くことはできません。
そのことは、人間で考え見ても同じでしょう。どんなに短所があると判っていても、自分自身で直そうとする気持ちが生まれない限り、周囲からとやかく言われても、直りやしないのです。
でも、自分自身で何を直そうとしますか。
人間は、他人が人の性格や短所を直せるようなことなどできません。どんなに注意しても、叱っても、本人がその気にならなければ絶対に直らないのです。
しかし、一方、他人から言われないと気がつかないということがほとんどなのです。しかも、外から外圧を受けなければ、本人も薄々気がついていたとしても、自分自身で直そうとしないものなのです。
何度注意しても朝早く来ることができない人がいます。
これは、性格を直すなどというよりも、習慣を直すことですから、遥かに簡単なはずなのです。習慣も直せないで、性格や短所を直すなどできるはずがないのです。
朝早く来ることができない理由があると思っている限り、そして、自らが朝早く来たほうが良いと認識できない限り、朝早く来ることはできないでしょう。
そのような人の特徴は、何日間かは続くのですが、ほんの一度だけ、早く来ることができない理由が生まれると、なし崩し的に、以後は元通りに早く来ることができなくなるのです。
なぜ続かないのでしょう。
なぜできない理由を正当化し、自らできなくても良しとするのでしょう。
真剣でないとか、本気でないということは簡単ですが、少し違った角度から考えると、人間の脳の働きに関係するのだと思います。
例えば、禁煙をしようと決心しても出来ないのは、本気でないというだけでなく、ニコチンという化学物質が脳にタバコの依存状態を作り、簡単にはそこから抜け出せないようになっているからなのです。
今では、ニコチン依存症は病気の一種とされ、禁煙治療の際には健康保険の適用までされるようになっているのです。
つまり、根性がないとか本気でないから止められないのではなく、もはや病院で治療を受けなければ簡単には根治しないということなのです。
このことを突き詰めて考えると、大脳の働きが、人間の習慣を記憶しているようです。
大脳は、環境変化、行動変化に慣れるのに、約10日間かかるそうです。
これまで夜型であった人が、早起きをして朝型にするには、最低でも10日間連続で続けなければならないのです。
しかし、10日間の間には、当然、土日もあります。月曜日から金曜日まで必死で頑張っても、土日くらいは楽しようとすると、そこで連続が途絶えることになってしまうのです。
だから、翌週の月曜日は、また起きられなくなるのです。
これは、禁煙に成功した人の話を聞くと、「最初の10日間が辛かった」という話を聞きます。これは、大脳が慣れるまでに10日間要することを意味しているのです。
そして、次に起こるのが、ちょうど1ヵ月目です。
10日間頑張った後、次は1ヵ月後に、再び、怠け癖が生まれるのです。これも大脳の特徴だそうです。少しだけ休もうかという気持が生まれてしまうのです。
この誘惑に負けてしまうと、折角1ヵ月続けたのにも関わらず、再び大脳はリセットされ、最初からやり直しになるのです。だから、続かないのです。
恐らく、禁煙をしたことがある人は、このことを良く知っているはずです。
大脳の欲求を抑え、完全に克服させるのは、三ヶ月かかるそうです。何事も、三ヶ月間連続で続けると、今度は、中々元には戻らなくなるそうです。
何かを変える、止めると思ったら、三ヶ月間連続で続けなければ、変えることはできないのです。大部分の人が途中で挫折してしまうのは、最初の10日間を乗り切れないか、あるいは1ヶ月目の誘惑に負けてしまうかがあるからなのです。
それを達成できた人は、自分の大脳に打ち勝ったことになります。自分自身の誘惑に勝ったのです。
大脳の仕組みが分ければ、ポイントが掴めるはずです。そして、3ヶ月間連続で続ければ、何事でも変えることが可能なのです。自分に打ち勝つことはとても難しいことですが、最初から一生続けようとせず、3ヶ月間続ければ良いのです。
禁煙や、禁酒、ダイエットなど、欲求を抑えるようなことは、特に難しいです。禁煙や、禁酒などを完璧にするのは、もはや自分の意志だけではどうにもならず、治療をしなければ克服できないかも知れません。
それに比べ、早起きをするということは、それほど難しいものではありません。
難しいとすれば、生活習慣、生活リズムを変えることと連動しますから、一日の生活スケジュールを大きく見直す必要があるということでしょう。
だからこそ、夜型から朝型に変えるように勧めているのです。
その理由は二つです。
一つは、生活習慣、生活リズムを変えるという取り組みは、行動パターンを変えることであり、行動が変われば、性格まで変化を及ぼすからです。
人間は、性格を変えることが難しいですが、行動を変えることはやろうと思えばできるのです。そして、出来たときの満足感、達成感が、考え方や見方を変えるようになるのです。
もう一つの理由は、朝型のほうが前向きでプラス思考ができるからです。そして、その延長により、時間の使い方が効率的になり、無駄にダラダラと過ごすことがなくなるからなのです。
夜型人間は、一般的に時間の使い方がルーズになりやすいのです。多くの企業の、多くのデータを見る限り、夜型人間より朝型人間のほうが、自己コントロールができ、仕事ができるとされているのは事実です。
昔から早起きは三文の徳と言いますが、少なからず、自分自身を変えたいと思うのであれば、生活習慣、行動スタイルから見直すということは重要なのです。
そして、生活習慣、行動スタイルを変えようとしなければ、決して、自分を変えることなどできるはずがないでしょう。
少しでも、自分を変えたいと思う気持ちがあるのなら、頭で考えているだけでなく、まずは行動することです。そして、行動から変えることです。考えていても、何も変わりません。
(次回に続く)
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投稿者 :堀田信弘: 2010年6月24日 05:57