人間はなぜ変化しないといけないのでしょうか。他人から言われて短所を直すことも重要ですが、別に自分で悪いことだと思わなければ、他人からとやかく言われる筋合いのものではないのです。
しかし、自分は悪いと思っていないことであっても、短所や性格などと言っている場合ではなく、世の中の変化に合わせなければならないことがあるのです。
それは、社会で生きていく以上、あるいは会社の社員である以上、その中にいる限り、そこの変化に追従しなければならないのです。
そのことは、他人から言われて短所を直すのとは意味が違うのです。否応なしに変化しなければならないのです。それができないのなら、あるいは拒むなら、生き残れないという覚悟を持たなければならないことでしょう。
今、時代は、3つの変化が同時に、かつ急速に進んでいます。
一つは、アジアを中心とする急速な成長発展です。世界を巻き込むほどのこの劇的と言えるほどの成長は、日本の明治維新が目の前で起きているかのようです。
二つ目は、日本の急速な成熟化です。この成熟というのは、低迷とも捕らえることができますが、見方を変えれば、最も熟した状態なのです。そして、この成熟期をできるだけ長く継続させ、次のステージである衰退期に突入しないようにすることが重要なのです。
三つ目は、成長している国も、成熟している国も、そして衰退している国も、全て含めて世界が身近に繋がってきているということです。簡単に言えば、グローバル化が進んでいるということです。
この三つの異なった渦が、絡み合うようにして、私たちの社会や会社、地域に影響を与えているのです。それも、かつてないほどのスピードと、大きさで進んでいるのです。
例えば、一点目のアジアの成長を考えたとき、最も重要なことは、それに対応できるスピード感です。
これまでの日本は、今のアジアがそうであるように、急速に発展し、それを支えるために我武者羅に働きました。そして、スピード感を持って、果敢に攻めていったのです。
しかし、その時代を知らず、生まれてからずっと低迷期の日本しか見ていない世代の人たちは、勢いやスピード感よりも、リスクや安定を考え、成長戦略を突っ走ることができない風潮があります。
全員がそうとは言えないですが、伸びている時に一気に伸ばす、集中投下をするというような一気呵成型のリスクを負うことが苦手なような気がするのです。
それは、今の日本とは異なった状況だから仕方ないのかも知れません。しかし、アジアの成長を、こちらに引き込むには、アジアの成長を支える若者と競い合い、対等にスピード感と勢いを持っていなければならないのです。
しかし、二点目の日本の急速な成熟化は、それを阻もうとしています。
日本の成熟化は、成長期の次のスタージに移ったことを表しています。
そこで重要なことは、成熟期と成長期は異なるということと、成熟期から衰退期に移さないという戦略が重要なのです。
成熟期は、勢いのある成長期とは異なりますから、アイデアを駆使し、経験と知恵を活かさなければなりません。勢いとスピード感ではなく、安心感や信頼などが重要なのです。
また、違った見方で成長期を、子供のときの基礎的な時期と言い換えれば、成熟期は、大人になってからの応用期と言えることでしょう。
スポーツ選手では、基礎を固め、体力をつけて、直球勝負をしていたものが、成熟期になると、変化球を覚え、力の抜きどころを覚えることで、技術が、最後まで投げきる技に変化するかのようです。
ビジネスで言えば、単品勝負ではなく、組み合わせや応用することで、一騎打ちになることを避けるようなアイデアを持つことが重要でしょう。
例えば、これから最も重要な考え方は、異質なものを掛け合わせるということだと思います。
できるだけ遠い存在にあるものと組み合わせたり、掛け合わせることで、古いものを新しくしたり、成熟しているものを、他に転用したりするのが重要なことでしょう。
三点目のグローバル化は、成長と成熟とだけでなく、異文化を越えて、様々なものや人が世界中と直接結びつこうとしています。
経済においても、自社だけが良ければ良いということはなく、世界で起こる様々な状況に巻き込まれるのです。これは避けては通れないことでしょう。
この三点を意識しながら、生き残る道を探り、そして、社会で会社で求められる姿に応えて行かなければならないのです。
三点が混ざって、同時に変化して動いていますから、単純ではありません。どれか一点だけを捉えれば良いということではないのです。
どのようにして成長と、成熟と、グローバル化の3点を、一体として満足させられるかを追い求めなければならないのです。
先日、ガーナ大使館の大使にお会いすることがありました。
始めは、日本とガーナ間のビジネスをどう進めるかを話していました。日本から提供できるもの、ガーナから受け入れるものなのです。
このようなことは誰もが考えることでしょう。
しかし、話が進むにつれて、単に二国間の話をしても、見栄えもせず、魅力に欠けると思ったのです。
ガーナには、300人ほどの日本人が住んでいるそうです。以外に少ないことを知りました。
ということは、日本よりももっと小さくて、もっと遅れている国の人々は、ほとんど住んでもいないし、取引もしていないと感じたのです。
例えば、わが社の子会社があるベトナム。ベトナムがどんなに成長期にあろうとも、さすがにまだガーナと取引をすることは少ないことでしょう。
もし、日本がベトナムとガーナの橋渡しができれば、成長と、成熟と、グローバル化の3点を、一体として満足させられるかもと直感したのです。
まだ何のビジネスも動き始めた訳ではありませんが、きっと、成長と、成熟と、グローバル化の3点をまとめて満足させるのは、このように組み合わせ、異なるものとの掛け合い、応用が重要なのだと痛感したのです。
中でも、異なるものとの掛け合わせというのは、周囲を見渡すと沢山あるように思えます。
全く新しいものをゼロベースから開発することは大変なことですが、古いものと新しいものや、場所の異なるもの、事業の異なるもの、目的が異なるものという組み合わせは、アイデア次第でどんどん面白いものが生まれると思います。
異なるものとの掛け合わせは、人間関係でも重要です。
同じような考え方を持つ人が共鳴することは重要ですが、異なったものが組むことで、同じようなものが組むことよりも、遥かにシナジー効果がでることでしょう。そして、何よりも、異なったものから学ぶことは沢山あることでしょう。
(次回に続く)
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投稿者 :堀田信弘: 2010年6月26日 05:57