お互い様という気持ちは、ビジネスの世界で考えると、Win-Winとも言えるのではないでしょうか。Win-Winというのは、自分だけが勝つのではなく、相手も勝つという意味です。
共に手を取り合って、一緒に勝とうということです。相手を踏み倒して自分だけ勝つのではなく、勝つための協力をし、成果を分かち合うということなのです。
Win-Winには、上も下も無いのです。お互い様なのです。共にハッピーになるのです。
私の会社の場合には、多くの場合、お客さまが両方向にいるのが特徴です。このことは、わが社にとって、とても重要な考え方です。これを外れては上手く生きません。
一方は、お金を支払ってくれるお客さまです。そしてもう一方は、仕入れ側のお客さまです。
あえて仕入れ側をお客さまという言い方をしているのは、お金を支払ってくれる代わりに、技術やノウハウ、商品などを提供してくれるからです。大切なお客さまなのです。
もし、仕入れ側を粗末にすれば、どんなにお金を支払ってくれるお客さまがいたとしても、技術やノウハウ、商品を提供できなければ、お金が入らないからなのです。だから大切なのです。
かつてメーカーでは、下請けの会社を外注と呼んでいました。外注先として仕事をしている者にとって、「外注さん」と言われると、「害虫さん」と虫けら扱いされているような気分になるものでした。
やがて、「パートナー」という言い方をするようになりましたが、変わったのは言葉だけで、「害虫さん」という発注側の上から見下ろすような態度は、変わっていないように思えます。
そこで、わが社では、お客さまというように位置づけるようにしているのです。無くてはならない大切なお客さまだという意識がなければ、わが社にない技術やサービスや商品を仕入れて販売することができないのです。
Win-Winという考えを持って、お互い様の気持ちを持って、手を取り合って一緒にビジネスをするというやり方でなければ、成り立たないのです。
どうしても発注側は、お金を払っているのだからという背景から、上から見る傾向があります。客だから当然だろうと思うのでしょう。
メーカーは、部品を仕入れて組み立てているのに、部品を供給してくれなくなったらどうするのでしょう。いくらでも他社から部品を仕入れられるから構わないと思っているのでしょうか。
Win-Winには、50:50という考え方も含まれると思います。
例えば、採用活動もこれに当てはまります。
採用活動におけるWin-Winとは、会社にとっては良い人物が採用でき、求職者にとっては、良い会社に入社できるということです。まさにお互い様ですね。
つまり、採用できた、採用されたということで初めて、お互いハッピーとなるのです。これがWin-Winです。どちから一方ではなく、共に良かったということなのです。
ところが、会社側の面接の様子を見てみると、とても横柄な人事担当者を見かけます。
選んであげるという気持ちがあるのでしょう。多くの求職者の中から、採用してあげるといううがった気持ちがあるのでしょう。
しかし、考えてみれば、会社も選んでもらっているのです。求職者は、沢山の求人企業から選んでいるのです。当然、横柄な人事担当者がいる会社を選ぶはずがありません。
入社するまでは、自分の社員でもなければ、自分の会社でもないのです。つまり、どちらが上だ、下だというのではなく50:50の関係なのです。
そのために人事担当者が行うことは、会社が選ぶ前に、選ばれる会社になるように、会社の良さをアピールすることです。
この行為は営業と全く同じです。営業が会社を売り込むのと同じなのです。つまり、営業的な感覚がない、事務的な人事担当では駄目なのです。
一方的に求職者に質問をするのではなく、求職者に興味を持ってもらい、何としても入社したいと思わせることが重要なのです。
先日、若い営業マンと出会いました。その営業マンは、なぜ、自分が現在の会社に入社したのかを話してくれました。
いくつもの企業から内定を得た優秀な人なのに、その中で最も小さな会社を選んだそうです。
その彼は「私は、将来独立したいので、3年以内で辞めるかも知れません」とどの会社にも言ったそうです。
すると、最も小さな会社の社長が、「いつ独立しても良いから、いつでも独立できるように頑張ってほしい。そのような意気込みがある人にぜひ、来てほしいと思っている」言ったそうです。
その社長の熱意と熱く語る社長に惚れて入社したということでした。
結果として、この彼と、彼を採用した会社は、共にWin-Winになったのです。
50:50という考え方は、営業行為の上でも重要です。
利益を折半するという考え方です。
例えば、人材紹介事業で考えてみましょう。
人材紹介会社同士は、時々連携して受注することがあります。人材を有している会社と、案件を有している会社が連携するのです。
どんなに人材がいても、案件を持っている企業が見つからなければ一銭にもなりません。一方、どんなに人材を探してほしいという企業からの案件を持っていても、それに見合った人材が見つからなければ一銭にもならないです。
そこでお互いに協力して、案件側に人材を提供して受注するのです。
この時、冷静に考えてみれば、案件側であろうが、人材側であろうが、その手間は同じなはずです。仮に、多少の考え方の相違はあったとしても、どちらかが欠ければ、決まらないのですから、対等な関係と言えるでしょう。
ところが、多くの会社では、50:50ではなく、70:30というようなことを言ってきます。
もちろん、自分のところが70に決まっています。
そして、そのような対等という考えが持てない会社では、「それなら組めない」と強気になるのです。そうすれば、こちらが降りると思うのでしょう。
こちらが提供しなければ決まらず、一銭にもならないという気持ちがないのかも知れません。
これは、完全に機会損失です。
営業にとって、100万円を追いかけて一銭にもならないより、その半分の50万円を得ようという気持ちがなければ数字があがるはずもありません。
1件も受注できないで機会損失するよりも、利益は半分でも協業すれば、もう1件で同じ100万円になることでしょう。
安売りはしない、という会社の理念がある場合も承知しています。それは、サービスや技術に自信があるから値引きをしないというのであって、利益が減るから協業しないというのは理解できません。
これからの時代は、単独ではなく、Win-Winのアライアンスが重要なのです。
(次回に続く)
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投稿者 :堀田信弘: 2010年7月 2日 05:33