積極的に他人と関わろうという意欲が起こらないのは、気力の問題だと断じましたが、そもそも、人間の気力とは何でしょう。
気力とは、辞書によると、何かを行おうとする精神力、気持ちの張り、充実していることとあります。
簡単に言えば、心の様子を風船に例えると、気力があるというのは、空気が充実して膨らんでいる状態と言えるでしょう。それに対し、気力がないというのは、心の空気が不足していて萎んでいる状態です。
つまり、人間の心は、膨らんだり、萎んだりするのです。この状態を表すのが気力なのです。
風船のようにいつもいつもパーンとパンパンに張った状態にあると、何かのきっかけで割れてしまうかも知れません。あるいは、どんなに空気が満タンの状態にあっても、放っておけば翌日には自然に空気が漏れて、シンナリと萎んでしまうかも知れません。
以前、ある年配の社長から、「あくびをしないようにしている。あくびが出そうな時は、大きく手を上げて、深呼吸をするようにしている」という話を聞いたことがあります。
この社長によると、「頭の中は、いつも意識して自分で喝を入れないと、自然に気力が薄れるものだ」と言っていました。そして、あくびが出るということは、今まさに喝を入れなければならない状態だそうです。
あくびは、退屈、無気力、無関心という頭の中を表している典型的な自然な行動です。無意識に出るこのあくびに対し、喝を入れないで放っておくと、次第にあくびの回数が多くなり、あくびをかけばかくほど、気力、やる気が奪われて行くのです。
それを防ぐには、あぐびを撲滅しようという発想です。それが自分で頭に喝を入れるということなのです。喝を入れるというのは、失われそうになる気力を取り戻すために、頭に刺激を与えることなのです。
手足を動かしたり、意図的に気分転換を図ろうと行動することが重要なのです。そして、もう一つ重要なことは、自分自身で頭に喝という刺激を与えることよりも、他人から刺激を与えられたほうがもっと頭が活性化するということです。
この頭の活性化こそが、気力を高め、気力を維持する源なのだと思います。つまり、気力がなく心の空気が不足していて萎んでいる状態というのは、頭の中が活性化していないということなのです。
活性化していないから、活性化させる必要があるのですが、あまりにも無気力な状態が続き、気力を出そうという気持ちすら起きなくなると厄介です。
どんなに外部から刺激を与えようとしても、それを意図的に避けようという気持ちになるからです。言わば、引きこもりの状態と言えるでしょう。外からの刺激を、逆にストレスが増える外部要因と認識するようになり、刺激を受けないようにしようとなるのです。
こうなると専門的なカウンセリングを受けないと、素人では動かしがたい状態に陥ってしまうことでしょう。だからこそ、このような状態にならないうちに、外からの刺激を受ける時間を、意図的に確保するようにしなければならないのです。
意図的、意識的に、少しだけ踏ん張ってみることです。そして、このままダラダラとしていたら堕落してしまうと自らを奮い立たせることです。これができれば、頭は活性化することでしょう。
あくびをしないようにするという社長も、これは自己暗示であり、自分自身が作り上げたお呪いのようなものなのです。それでも、薄れてしまいがちな気力を何とか維持しようと工夫をしているのです。
こう言う私も全く同じです。今日の、この時間も、実は気力がなく困っていました。だから、気力とは何なのかを考え、それを書くことで、気力を取り戻そうとしているのです。
気力がなくなるということは、誰もが陥ることです。論理的に、目標がどうの、具体的な理念がないとどうのといった理屈ではなく、自分自身を奮い立たせる意識を持っていなければ、人間はどうしても楽なほう楽なほうに流されてしまうのです。
そしてその楽を選ぶたびに、気力は失われていくのです。ナニクソという、歯を食いしばる状況を経験して、耐え、立ち向かうのです。そうすれば、気力を維持することができるでしょう。
病は気からと言いますが、気力がなければ病気にもなります。病気になれば、気力もなくなります。気力がなくなってから取り戻すのではなく、今ある気力を、常に高め、維持することが大切なのです。そのような気力があれば、病気などしません。
赤ちゃんを産んだばかりの女性が、眠い目を擦りながら、夜中に何度も起きて、赤ちゃんにミルクを行えるのは、やなければという強い意志と、それを支える気力が充実しているかでしょう。
このやらなければという気持ちが、踏ん張って気力を出す支えになっているのですね。
誰からやれと言われて渋々と行っても気力が出ません。自らがやれなければという責任感や達成しようとする欲求がなければ、どんなに人から言われても駄目です。自らが、自分にやらなければと指示しなければならないのです。
しかも気力というのは、全く同じ状態を維持するのは極めて困難です。プロ野球選手のイチローでさえも、気力を保つには苦労しているようです。
あのイチローでもそうなのですから、ここは思い切って、ずっと気力を維持するのは不可能だと思ったほうが良いかも知れません。
逆らっても、苦労するだけですから、極めて難しいことは、思い切って丸呑みしてしまうことです。そうすれば、気力が落ちるのは当たり前であることを受け入れられることでしょう。
そして、当たり前のことが当たり前に起きているだけですから、自然に受け入れれば良いのです。問題は、このように自然に波があるわけですから、どうしたら、気力が薄れた時に、どうやって再び回復させるかということです。
落ちたままの状態が長く続いてしまうと、それが慢性化し、それが常態化してしまいます。これは怖いことです。この一点だけを避けようとすれば良いのです。
気力が落ちている時の自分を在りのまま受け止め、その時にはリラックスしたり、リフレッシュしたりして、気分転換を図るのです。楽しいことや、好きなことを思い切り行うことが良いと思います。
ダラダラと部屋で寝転ぶことを、リラックスやリフレッシュと捕らえる人がいますが、これは間違いです。いつでも寝転ぶことなどできますし、行動しないということは気力回復には繋がらないからです。
何も考えずにゆっくりとしたいというのなら、南国のリゾート地にでも行って、普段とは異なる環境で、のんびりすることが重要なのです。これはゴロゴロと家にいるのとは違い、意図的にリフレッシュを手に入れようと行動していることなのです。
行動するのと、行動しないのとでは雲泥の差があるのです。気力を意識するのなら、頭に刺激が行くように、何らかの行動をすることが重要なのです。
(次回に続く)
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投稿者 :堀田信弘: 2010年7月24日 05:39