上司も部下も人間なのです。人間だからこそ、その関係は難しく、機械のようには行かないのです。
だから機械にように、ただひたすら指示されたことを、指示した通りに行うだけの関係にはならないのです。だからこそ、上司と部下が集まる組織というのには、個性があり、この世に二つと同じものは存在しないのです。
それは、野球やサッカーのようなチームプレイを行う集団と同様であり、例え同じ目的をするために集まった人々でも、チームごとに大きな差が生じるのです。
世界で最もプレイ人口の多いサッカーは、サッカー・ボールさえあれば、世界中の誰でもできます。アフリカの貧しい国でも、小さな頃から練習をすることが可能なのです。
そのような人々が、サッカーを上手になりたいと、11人さえ集まれば、それだけで立派なサッカーチームが誕生するのです。
だからサッカーチームは、世界中に無数にあります。純粋にプレイをするだけなら、監督もコーチも必要ありません。たった11人だけ集まればそれで良いのです。
最初に集まった11人は、ボールを蹴って、相手にパスをする練習をしたり、ゴールに向かってシュートをする練習をしたりすることでしょう。
やがて、練習だけではもの足りず、試合をしたいという気持ちが生まれることでしょう。そして、他に11人以上が集まっているチームと戦うことを決め、自分たちのチームは、誰がどこのポジションになるかを考えることでしょう。
そして、二つのチームは戦います。
必ず、その二つのうち、どちらか一方が勝ち、他方は負けます。
負けた側は、悔しいに違いありません。自分たちの何が不足していて負けたのかを考え、その対策を考えることでしょう。そしてもっと強くなりたい、と思うに違いありません。
一方、勝った側は、勝った興奮も冷めやらず、他の別のチームとも戦って、もう一度、嬉しい気分を味わいたいと考えることでしょう。そしてもっと強くなりたい、と思うに違いありません。
負けた側は、初めて戦った相手チームの何か上回っていたのかを知ることができます。監督の采配なのか、選手の充実度なのか、あるいはそれぞれの能力の差なのか、そしてチームプレイの差なのか、自分たちの不足している点を感じ取るはずです。
11人の中には、リーダーとなって、チームを引きいろうとする者が現れるかも知れません。
当然に数だけ揃えたチームでは勝てないことに気付き、最も足の遅い選手や、運動神経の鈍い選手に代わり、新たなメンバを加えようとするかも知れません。あるいは、それぞれの個性を認識し合って、新しいポジションを考え、変更するかも知れません。
勿論、一人一人も練習を重ね、少なくても最初の試合の時よりは、もっと上手になろうとすることでしょう。
しかし、勝った側のチームも、このようなチーム内の動きは、同様です。従って、負けた側は、自分たちは以前よりも努力していると考えているだけでは、同じ努力をしている勝った側にはいつまで経っても追いつかないのです。
つまりこの時点で、負けた側は、勝った側のチームよりも、遥かに上回る努力と、工夫をしなければ、どんなに最初の試合の時よりも上手になったとして、次回の試合では再び負けてしまうことでしょう。
このような流れが、世界中のサッカーチームで行われているのです。プロの世界で言えば、他のチームの優秀な選手をお金で移籍させることも考えるのは当然なことです。
逆に、その選手が入ったお陰で、元々からそのポジションにいた選手は、他のチームに移籍を余儀なくされるかも知れません。さらには、チーム内で最も優秀な選手であった者が、体力の限界から、引退することになり、新しい若い選手を向かい入れるかも知れません。
プロもアマも問わず、大人も子供も、世界中のサッカーチームは、こうして常に努力と、組織内の活性化を図って、少しでも上位のチームになろうとするのです。
無数にあるサッカーチームの目的は、どのチームもサッカーで勝つことです。強くなることであり、上手になることです。世界中のチームが同じ目的を持っているのにも関わらず、必ず、チームには優劣がつくのです。
どこのチームの監督も、どうしたら強くなれるかを考えるのは一緒です。限られた人員と、限られた予算で、少しでも強化できればと考えているのも一緒なのです。
このことは、会社の経営と似ています。会社の場合には、目的や目標こそ異なりますが、少しでも成長したい、裕福になりたいと考えるのは同じことでしょう。
扱う商品や場所こそ異なるものの、会社の中にいるのは、サッカーチームと同様に人間なのです。人間の集まりに違いはないのです。
ただ会社の場合には、サッカーチームと異なって、11人で戦うという規定がありません。どんなに多くても、少なくても良いのです。外国人が多くても良いし、男女比も、年齢構成も自由です。どんな宗教の人でも、どのような経歴の人でも自由に集めて良いのです。
何万人もいる大会社でも、最初から何万人であった訳ではありません。少しづつ大きくなったところもあれば、急激に大きくなったところもあるでしょう。
またその逆に、ある時期は、何十万人もの巨大な会社であったものが、現在ではその面影もない会社になっているところもあるのです。
だから、今、今日現在、ある会社が、ある業界でトップであったとしても、十年後、二十年後にもトップであるのかは判らないのです。
このようにして、世界のサッカーチームと同様に、世界中に無数にある様々な業界の会社が競い合っているのです。わが社もその会社のほんの小さな存在の一つです。
2010年も今日で終わろうとしています。今日から一年後の来年の大晦日は、どのような会社になっているのか、それは誰にも判りません。
それでも、年が明ける来週からは、直ぐに再び新しい戦いに向けてスタートするのです。そして、一年後、二年後の大晦日には、少なくても、今年の大晦日よりも幸せになれたらという思いでいるのです。
このように世界中の経営者は皆、同じことを考えているのでしょう。そして、皆、同じく努力をしているのでしょう。
その努力が、他社よりも少なければ、淘汰されるのは自然なことなのでしょう。わが社も淘汰されないように、来年も頑張りたいと思います。今年も一年間、ありがとうございました。
(次回に続く)
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投稿者 :堀田信弘: 2010年12月31日 05:35