【堀田信弘の今日の語録】 『この会社は、きっと伸びるだろうな。他の会社と違うことができること自体に可能性を秘めているから。』


経営者について  「活・喝・勝」


ルーズと能天気と楽観的

「時間にルーズな人は、お金にもルーズ」というようなある大学の実験結果を読んだことがあります。

その内容の結論は、「結局何かにルーズな人は、何事においてもルーズだ」ということでしたが、中でも、時間とお金に関する感覚は似ているということでした。

約束した時間を守れずに、いつもダラダラとしているような人は、時間が無限だと思っている傾向があるのです。

1時間遅れても、時間が無くなる訳ではないし、今日できなくても明日すれば良いと思っているのです。その考えで、他人に迷惑をかけても、自分にはあまり影響がないと考えているのです。「なるようにしかならない」「仕方ない」と思っているのです。

このことで信用を失っても、それくらいで失うのなら仕方ないと軽く考えています。だから、お金についても浪費傾向が強くなります。

子供の頃には、自分の小遣いをさっさと使ってしまい、弟や兄に頼み込めば、貸してもらえると考えているのです。

一般的に、このような子供の頃の経験が、お金に対する浪費癖を持つきっかけになっていると言われているそうです。一度、無くなっても困らない経験をすると、なくなることを心配しなくなるのです。

また、違った視点で国民性を分析したデータを見つけました。

先日、世界53カ国について、フランスのル・パリジャンが研究所が実施した意識調査したの結果が発表されました。

それによると、世界で最も楽観主義な国民は、ベトナムで、二位が中国、ブラジル、ペルーの順になっています。

その結果について、研究所は、それに順位に比例して、債務者も急増しているというのです。つまり、将来に対し、楽観的だから、少しぐらい借金しても大丈夫だという意識が強いのです。

そのため、楽観主義者は、消費意欲が旺盛で、その旺盛さが経済成長を支えているということも言われているのです。

このデータから言えるのは、ルーズな傾向がある人は、少なくても悲観的ではないということです。良く言えば、前向きと言えるでしょうが、悪く言えば、いい加減と言えます。

私がベトナムに行って、最初に困ったことは、遅刻する者が多いということでした。

当時、ベトナムの子会社では、90%以上の人が、月に1回は遅刻していました。つまり、遅刻しない人は、ほとんどいなかったのです。

そのため、皆勤賞を設け、遅刻しない人を優遇しようとしましたが、それでも、遅刻はなくなりませんでした。厳しい罰則をしましたが、中々減りませんでした。

その度に彼らは、「ベトナムだから仕方ない」と平気な顔をしていました。「ベトナムで時間を守ることのほうが無理だ」というような気持ちがあって、直そうとしないのです。

悪いと思っていない、仕方ないと思っているのですから、直るはずがないのです。

彼らは、いつもお金がない、と言っていますが、そのような人に限って、賞与や手当てが出たりすると、そのお金が一瞬で使ってしまいます。

日本人のように貯蓄しようという感覚は皆無のようです。国が発展途上にあるからという事情もわかりますが、それは、日本も高度成長期の頃は同じであったはずです。

私たちの親の世代は、ほんの少しでも貯金をして、ローンを組みことに強い抵抗を持っていたものです。しかし、ベトナムでは、親類からお金を借りまくり、年収の何倍ものバイクが街に溢れているのです。

そもそも貯金、貯蓄というのは、将来に対する備えですから、ある意味で悲観的な思考が多少なりともないと、ありえないのです。

もし、将来何かがあった場合に備えて、今のうちに僅かでも貯蓄ができれば、少しは何かの役に立つだろうと考えるのでしょう。しかし、浪費してしまうということは、貯蓄をすることは絶対にできません。

貯蓄した分までも使い切ってしまい、常にお金がない状態にいるのです。その心は、スポンジが乾いているような状態と同じです。そこに、僅か数滴のお金を落としても、一瞬で吸収され、直ぐにカラカラに乾いてしまうのです。

常に乾いている心というのは、欲求を抑えることができない状態なのです。このような人は、仮に現在の給与が3倍になったとしても、消費も3倍になるから、決してお金を残すことはできないでしょう。

しかも、一度3倍消費できる生活を経験してしまうと、二度と、元の給与ではやり繰りできなくなってしまうのです。

経営者にとって、楽観的な考え方は重要でもありますが、楽観主義と能天気な考え方は全く異なります。

浪費家というのは、先行きを考えない能天気な人なのです。楽観的というよりも、何も考えていないということのほうが正しいかも知れません。

経営者が能天気だったら、倒産してしまうのは当然なことです。何も考えずに、入った分だけを使ってしまっては、経営していないのと同じなのです。

これまで出会った浪費家の多くは、見栄っ張りの人が多いようにも思えます。背伸びをして、お金がないのに、お金があるような振る舞いをしようとします。

見栄っ張りな人というのは、自分に真の自信がない人です。自信がないから、少しでも他人から良く見られたいという気持ちが強く、背伸びしようとするのです。

しっかりしていた兄弟とは異なり、ルーズな面を厳しく叱られたからなのでしょうか、自分は出来が悪いという劣等感が強く、実力以上に良く見られることで、認めてほしいという願望が強いのでしょう。

お金を使うことで、きっぷの良さを認めてほしいと思うのでしょう。しかも、そのような人は、断ることができないですから、誘われると夜も遅くまで付き合うことになり、翌朝は起きられなくなるのです。

幼い頃から、「しっかりしてるね」と言われて育った人には、まずこのようなタイプはいません。幼い頃と同様に、大人になってもしっかりしているのです。そして、逆に、幼い頃にルーズな人は、大人になってもルーズになるのです。

育った環境や、しつけ、親の考え方が、大きく影響していると思います。

(次回に続く)

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投稿者 :堀田信弘: 2011年1月28日 05:53