【堀田信弘の今日の語録】 『この会社は、きっと伸びるだろうな。他の会社と違うことができること自体に可能性を秘めているから。』


リーダーについて  「活・喝・勝」


独裁者とは...

アメリカのある雑誌が選ぶ2009年世界の独裁者トップ10には、現在も長期的に政権を維持している10人の独裁者がインターネットに掲載されていました。

参考までに、10位は、世界でも最も長期政権を維持しているリビアのカダフィー大佐で、年齢はまだ66歳ですから、このまま維持できれば後20年は続くかも知れません。そうなると、半世紀を越える60年以上も独裁政権を維持することになります。

また9位は、トルクメニスタンのベルドイムハメドフ大統領51歳だそうです。8位は、エリトリアのアフェウェルキ大統領63歳です。7位は、イランの最高指導者ハメネイ師69歳、6位は何と、中華人民共和国の胡錦濤国家主席66歳です。

5位は、サウジアラビアの国王、アジズ国王85歳で、世界で最も長寿の独裁者です。4位は、ミャンマー軍事政権の最高指導者タン・シュエ議長76歳、3位は、おなじみの北朝鮮の金正日総書記67歳です。

2位は、スーダンのバシール大統領65歳、そして1位は、ジンバブエのムガベ大統領84歳となっています。先日国外脱出したチュニジアのベンアリー大統領も、退陣要求の強まるエジプトのムバラク大統領もトップ10には入っていません。

独裁者の登場は、今に始まった訳ではありません。

アドルフ・ヒトラーと言えば、独裁者の代名詞ですが、最初から独裁者だった訳ではありません。それは、前述したトップ10の人も、あるいは、既に退陣したり、殺されたりした独裁者たちも同じです。

ヒットラーは、16歳の時、高校を中退しました。その後、大学受験にも失敗し、さらには、徴兵を逃れるため、たびたび住居を変え、24歳ぐらいまで公営の独身者寄宿舎に住み、ホームレスのような生活をしていました。

25歳の時には、オーストリア当局に逮捕されましたが、検査で不適格と判定されたため兵役を免除されるほど、戦争に出ることが嫌だったのです。恐らく、この頃までは、全く政治のことなど考えてもいなかったと思います。

ところがその年に第一次世界大戦が勃発し、ヒットラーは、ドイツ帝国の兵隊として戦うことになってしまったのです。

そしてヒットラーは、西部戦線という8割以上が死傷した激しい戦場の中を生き抜いたのでした。

他の独裁者も似たようなエピソードがありますが、奇跡的に助かったり、ある戦いで一躍英雄になったりしているのは、独裁者の特徴的なところです。

つまり、元々は、庶民にとって、彼は、待ちわびた英雄であり、スターであったのです。言い換えれば、大衆が独裁者を作り上げて行ったと言っても良いでしょう。

現にヒットラーは、正々堂々と選挙で選ばれたリーダーです。初めのナチはとても小さな党でしたが、次第に勢力を拡大し、遂に第一党になるまでに躍進したのです。その躍進させた最大の功労者が、演説が上手で、戦場の英雄だったヒットラーだったのです。

このように独裁者というのを見てみると、独裁者として批判を受ける前までは、多くの国民が認める英雄であり、理想的なリーダーであったのです。

そのリーダーが、どのようにして独裁者になって行くのでしょう。

ヒットラーの場合には、1934年8月、国家元首であるヒンデンブルク大統領が在任のまま死去したのをきっかけに、国家の混乱を避けるという大義名分を掲げることで、ヒトラーは国家元首である大統領の職務と首相の職務と合体させる法案を、議決したのです。

当時、ナチ党は、議席の45%ほどと単独過半数も得ていなかったにも関わらず、国家人民党と中央党の協力を得て、ナチ党以外の政党を禁止することに成功したのです。

もし、国家人民党と中央党が、ナチ党に協力することがなかったなら、その後の将来は変わっていたはずです。しかし、第一党のナチ党に、国家人民党と中央党が協力した背景には、ヒットラーの演説が、国民に絶大な人気があったからかも知れません。

現に、ヒットラーが、自らが大統領になることを問う国民投票では、90%という驚異の支持率であり、国民が自らの判断で承認したという結果になったのでした。

この現象は、小泉元総理が衆議院で2/3以上もの議席を持っていた時と似たような気がします。国民の支持率は非常に高く、小泉首相自身の人気は絶大でした。

国民の誰もが、僅か数年後に、今のような長期的な不景気、年金などの将来不安を抱えることになろうとは、当時は誰も予想できなかったことでしょう。

「郵政」という一言で、国民は、全てが変わるような印象を持ちました。そして、多くの若者が、自民党に投票し、潰れかけていた自民党を復活させたのです。

わずか7年ほど前のことです。

あれから、何人もの首相が変わりました。しかし、幸か不幸か、小泉総理のような絶大な人気を誇るリーダーは現れませんでした。しかも、支持率が低迷したため、何れも短命政権でした。

「コロコロと首相が変わって」と言うのは簡単ですが、それをさせないのは、国民ですし、しかも、「長期政権が良いか」と尋ねられれば、「長期政権が良いです」と自信を持って応えられないのも、これまた日本国民の現状なのです。

つまり、リーダーが悪いというのは簡単ですが、そのリーダーを生んでいるのも国民であり、リーダーがリーダーシップを取れないようにしているのも、我々国民なのです。

それでも、私たち日本には、選択の自由があり、国民主権である、幸せな国なのです。

それなのに、その主権を有効に活用できないのはなぜなのでしょう。

エジプトやチュニジアの若者が、「国を変える」と命を張って戦おうとしているのに、日本の若者は、選挙にさえ行きません。

もし、日本の若者の選挙投票率が今の2倍になったら、日本の政権図はきっとガラリと変わることでしょう。いつまでも、いつも同じ政党にしか投票しない年配の人だけの投票率だけで、政権を左右しているようでは、日本は変わらないのです。

私は、決して独裁者を認めている訳ではありません。

しかし、強いリーダーシップが取れる人、そして、何よりも、リーダーシップが取れる環境を構築することは重要だと思います。

それは、国家だけでなく、企業においても同様です。一人のリーダーが、最大限の力を発揮できるような体制を取れるようにすることは、そのリーダーを選定する時点から始まり、一度選定されたリーダーが全権と、全責任を負うように明確化することが重要なのです。

(次回に続く)

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投稿者 :堀田信弘: 2011年2月 7日 05:05