先日、あるソフトウェアを開発・販売する若い社長と出会った。彼は、名刺交換すると直ぐに、「最初にうちの商品の"良さ"を少しだけアピールさせてくれませんか?」と言ってきた。
IT業界では極めて珍しい。自己紹介代わりに商品紹介を通じて、自分がこの商品の販売責任者だと自己紹介する。さらに、商品紹介を通じて、「私たちは、このような考えを大切にして開発しています」と開発ポリシーと会社の理念をさりげなく説明する。
私は、彼の話の進め方、センスの良さに興味を持った。彼は、私に自分を売ることができたのである。(中略)
結局、一時間の商談の中で、その会社の社名を聞いたのは、一度もなかった。なぜなら彼は名刺交換の時、社名の後に名前を名乗ったのではなく、商品名をあげて、それを開発・販売している者だと名乗ったのだ。
私は、今でもその会社の名前を思い出せない。しかし、その商品名と社長の名前は思い浮かべることができる。
この会社は、きっと伸びるだろうな。他の会社と違うことができること自体に可能性を秘めているから。
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この言葉は、2007年8月24日に掲載した『社名を言わないで販売する』の中で用いられたものです。
毎月多くの経営者との出会いがあります。最近は、IT業界に限らず、様々な業界の人と出会うようになりました。
他の業界の人と出会うと、同じ業界の中の人がみな同じような特徴に思えてきてしまいます。
同じ業界だから同じようになってしまうことはある程度仕方ないことかも知れませんが、そんな中でも自分の会社だけは他社と異なった動き、対応、考え方を持つという姿勢は重要なのだと思います。
他の業界に行って、どの業界の人とも堂々と話ができるようにするには、自分の業界の枠を越えた考え方を持っていなければ到底できません。そしてそれができる会社が強い会社になるのでしょう。
この会社は、きっと伸びるだろうな。他の会社と違うことができること自体に可能性を秘めているから。 by 堀田信弘
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