【堀田信弘の今日の語録】 『この会社は、きっと伸びるだろうな。他の会社と違うことができること自体に可能性を秘めているから。』


ビジネスについて  「活・喝・勝」


株式会社の農業参入解禁

今日9月1日、ついに改正農業経営基盤強化促進法が施行された。

これにより、これまで構造改革特区に限って認められていた農地のリース(賃借) 方式による株式会社の農業参入が解禁された。

アメリカでは、既に株式会社による農業が盛んで、大規模型の近代農業化が進んでいる。そこで働いている人は、 農業に従事しているというより会社員としての意識が強く、企業倫理が重要となっている。

企業である以上利益を追求するのは当然である。しかし、今の企業とはどのような産業であっても利益至上主義だけでは生き残れない。 地域との共生、従業員の働く満足度、環境への取り組み、消費者への情報公開など、企業の倫理観が乏しければ、 市場から淘汰されるのは至極当然な社会となっている。

それは、どのような産業であっても同じだ。

郵政の民営化論争では、ユニバーサルサービスが崩壊するのではということが懸念されているが、そんなことはない。国際条約で、 全国どこでも配達できないとなっており、仮にそれが崩れれば、他の宅配業者との競争に淘汰されることになる。

教育分野にも企業の参入が認められた。2005年4月、日本で初めて文部科学省の認可を受けた株式会社デジタルハリウッドは、 デジタルハリウッド大学を開学した。

規制緩和は進むものの、まだまだ企業の参入が認められていない分野は多い。しかし、 今回の農業への解禁は新しい産業としての農業ビジネスを生むことは間違いない。

個人経営では資金的、人的に困難であったアイデアでも、法人が経営することで可能になることもある。これまで、日本の農業政策は、 自給率を確保するという名目で、農家を守るための保守的な守りの施策であった。

そのため、外国からは、値段、量、種類などあらゆる角度から攻めの農産物が入ってくることとなった。

これまでと違って、日本の人口が減少に向かうとすれば、これまでの政策では需供のバランスが崩れ、 自給率を守ることはもはや不可能である。

日本という小さな島よりも、世界というグローバルな市場の流れに目をやれば、人口は増え、アジアでも富裕層の人口は日本より多くなる。 市場原理で考えれば、強い競争力をつけ、日本が世界に打って出る攻めの農業が重要なのではないだろうか。

アメリカの農業は、株式会社の参入で、中小農家が崩壊し、大規模化、機械が進み、大量生産で安い物が作られたが、その弊害として、 大量の化学農薬の使用や、環境破壊が起こったというデメリットも生んだ。

それは、広大な土地を効果的に活用するための自然な流れだったのかもしれない。日本の株式会社参入については、このことが論議され、 農協などを中心に既得権益を守る反対論争が起こったそうだ。

しかし、日本の土地は狭いし、仮にアメリカと同様な戦術に出ても勝ち目がない。企業を経営するものであれば、敵を知り、 敵と違った方策を考えるはずである。

例えば、日本の和牛は、世界一おいしい。手間ひまがかかり、広大な土地で放牧するのではなく、狭い牛舎で丁寧に育てるシステムは、 アメリカでは真似できない。

健康のことを気にする消費者は、日本だけでなく、ヨーロッパ人も敏感である。さらには、中国の富裕層は、 国内で作られる農薬だらけの野菜を嫌い、わざわざ日本から輸入した無農薬野菜を好んで食べる。

これまで日本が取り組んできた安全でおいしい農産物作りは、勤勉で丁寧な日本人の強みが活かされた結果だ。これを前面に出せば、 世界に通用する新しいビジネスモデルが誕生すること間違いない。

私は、農業へのビジネス参入を夢見ている。特に、障害者や高齢者を活用して、 人手のかかる丁寧な農産物が生み出せるのではと考えている。いつの日かきっと実現したい。

最後まで読んで頂き、感謝申し上げます。

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投稿者 :堀田信弘: 2005年9月 1日 09:09